58*逃亡者 ページ9
「あら！Aちゃん早いわねぇ。
まだご飯出来てないわよ」
『おはようございます。
なにか手伝うことありますか？』
5時30分
低血圧なのに動ける自分に驚きながらも食堂に顔を出せば煮物の良い匂いがする。
食堂のおばあさんは住み込みの寮母さんも兼ねており、女の子の私がいるのを気に掛けてよく話をしてくれるんだ。
「良いのかい？ならお味噌汁任せようかな。」
『うん、任せてよ。』
寮にいるほぼ全員の朝ごはん、流石に量も多い。
…一人で３人分くらい食べる人もいるし…
「もうすぐ体育祭だから準備？」
『私実行委員だから早く行かなきゃなくて。
今週は早起きなの。』
「おばちゃんにも成人した息子いるけど高校の時なんて遊んでばかりの子で。
Aちゃんは男子寮でさえ大変なのに部活も行事も真面目に取り組んでて偉いわ。」
7時前に朝食の準備は終わり、大体食べに来るのは7時過ぎかららしい。
おばちゃんと二人で朝ごはんを食べて、私は学校に行く。
「今日は早いんですね。おはようございます、Aちゃん。」
『おはようございます。朝練お疲れ様です。
私は委員会で早く行かなきゃなくて。』
寮の玄関を出た所で朝練を終えた泉田さんと会ってしまった。
規則正しい泉田さんとは朝に会うことはあまりない。
「朝早くから大変ですね。
まだ人も少ないですし、すぐ近くとは言え通学、気を付けてくださいね。」
本当紳士だ。そう思いながら泉田さんに手を振り、イヤホンを耳に嵌めてゆっくりと学校へと向かう。
…嘘をついたら、つき続けなきゃいけないって誰かの言葉で聞いたことがある。
実行委員の仕事なんて嘘。
朝にユキちゃんと顔を会わせにくいから。
嫌いじゃないし、寧ろ大好き。
トボトボ歩いて、教室にいこうか迷うもバシ君に見られるのもなにか言われるんじゃないかと図書室に行くことにした。
自主勉の人の為に朝から開いているとお兄ちゃんが教えてくれたし。
一番奥の朝陽が入る暖かい場所で少し寝よう。
いつもより1時30分も早いから。
友達の真琴にモーニングコールならぬ、登校したよコールをお願いし眠りの入り口を開いた。
本当は自分でも分かっているんだよ。
私貪欲だから。
それなのに万が一あの絶望を味わうかもしれないって言うのが怖いから拒絶してることも。
今更何もかも遅いから、だから想い出だけを大事に大事に持ち続けてる。
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モカ(プロフ) - しおらんさん» ありがとうございます！更新亀ですがよろしくお願いします!! (2019年8月12日 23時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです！新開夢はほぼ見ないので初めてこんなに集中して読みました！かっこいいですね！続き楽しみにしています！ (2019年8月12日 15時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
餃子 - 更新頑張って下さい！ (2019年7月27日 16時) (レス) id: 88c2981b01 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 重岡 かえでんちょさん» 今晩は、はじめまして！教えていただきありがとうございます(*^^*) (2019年4月7日 23時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
重岡 かえでんちょ(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読んでいます。先程95話を拝見した時に誤字を見つけたので報告のコメントです。夢主ちゃんの台詞で「サプライズはまだしも」が「サプライズ浜田市も」になっています！更新頑張ってください、応援しています！ (2019年4月6日 23時) (レス) id: 50714d3e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2018年9月13日 22時
