83*吐露 ページ34
葦木場拓斗side
男子寮に来た女の子は福富さんの妹さん。
小さくて可愛い女の子。
あんまり表情が崩れないのは福富さんとおんなじ。
部活も一緒で話してみたらすぐに仲良くなれたAちゃん。
そんな彼女の視線の先には新開さんがいた。
だからすぐに「あぁ、Aちゃんって新開さんが大好きなんだぁ」って思っていた
ユキちゃんが好きになるのもわかる。
その事でAちゃんが悩んでいたのも知っていたけど、俺はユキちゃんもAちゃんも大事でどちらの味方になることも出来なかった。
「お祭り一緒で楽しみだけど、新開さんがいるのは今年で最後だよ？」
『…
だけど…きっといつもの四人で行くと思うから会場でも会える。』
泳いでいたのはAちゃんの黒色の瞳で、陽に透けると緑っぽい色になる。
三角関係？三人の事に口を挟んじゃだめだけど、この子が悲しそうな顔をするのは見たくない。
「Aちゃんは新開さんが好きなの？」
意地悪な質問…隠そうとしていることも知っているのにこんなこと聞いちゃダメだよね…
でも、ごめんね。
『…なんで、そんなこと、聞くの？』
彼女らしからぬ、珍しく崩れた表情は戸惑い。
好きの気持ちって素敵だと思うのに…
何か、Aちゃんの中であるのかもしれない。触れちゃいけないもの。
「ごめんね、皆が待ってるから早く帰らなきゃ。
…Aちゃん？」
立ち尽くすAちゃんがあまりにも小さく見える。
アリス症候群にでも掛かったようだ。
『…好きなの。
未練がましくずっと…好き。
前付き合っていた時、浮気されてたって思ってたから普通になんて出来なかった…それでも隼人君は変わらず隼人君で…
会ってしまえばやっぱり好きだって思ってしまうから…』
手を引き通り道の公園のベンチに座らせれば、
困ったような泣きそうな顔。
新開さんもAちゃんのこととっても大事に想っている。
『…今更…なのに…気持ちを閉じ込めたのに…。
…あ、買い忘れある！すぐ買ってくるから待ってて！』
駆け出す後ろ姿があまりにも速くて一歩遅れてしまう
何を忘れたかわかんないからここで待つけど…
「Aちゃん、新開さんが大好きなんだね。
ユキちゃんはどうしたい？」
「…んなの…
わかんねぇよ…俺だって。」
少し前に到着して隠れていたらしいユキちゃんに問うのも意地悪かもしれない。
二人に悲しい顔させちゃった…
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モカ(プロフ) - しおらんさん» ありがとうございます！更新亀ですがよろしくお願いします!! (2019年8月12日 23時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです！新開夢はほぼ見ないので初めてこんなに集中して読みました！かっこいいですね！続き楽しみにしています！ (2019年8月12日 15時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
餃子 - 更新頑張って下さい！ (2019年7月27日 16時) (レス) id: 88c2981b01 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 重岡 かえでんちょさん» 今晩は、はじめまして！教えていただきありがとうございます(*^^*) (2019年4月7日 23時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
重岡 かえでんちょ(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読んでいます。先程95話を拝見した時に誤字を見つけたので報告のコメントです。夢主ちゃんの台詞で「サプライズはまだしも」が「サプライズ浜田市も」になっています！更新頑張ってください、応援しています！ (2019年4月6日 23時) (レス) id: 50714d3e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2018年9月13日 22時
