66*高揚と罪悪 ページ17
新開隼人 side
夕飯を終え、皆で風呂に入り、いつもなら談話室で遊んだりしゃべったりするんだけど
今日は先約がある。
「やぁ、いらっしゃい。A」
部屋に来たのはあちらも風呂上がりで部屋着姿のA。
朝に前髪を切るって約束していたし、流石に女の子の前髪だから授業中にサイト見て調べたりもしたんだぜ。
『…部屋、普通にきれいだね
服とか脱ぎっぱなしだと思ってた。』
「皆が皆、靖友みたいに汚くしてる訳じゃないよ」
『…あの部屋、もう何度掃除したと思ってるの…』
「はは、次の日にはいつもの部屋に戻ってるんだよなぁ」
Aと靖友は気が合うようで、よく部屋で一緒に映画見たり本読んだりしてるらしい。
人見知り気質のある靖友もAにはほだされてるなんて尽八は笑っていた。
「適当に座っててくれ。
何か飲むかい？」
『ううん、大丈夫。
明日も早いから前髪切ってもらったら部屋に帰るよ。』
引き出しから髪切り用のはさみを取りだし、Aにはゴミ箱を抱えてもらい準備は整った。
改めて向かい合って座ると緊張しちまうな。
…失敗してぱっつんになってもAなら可愛いだろうけど…
靖友や後輩の髪なんかはたまに切ってあげるけど、女の子の髪だしなぁ。
『…もしかして緊張してる？』
「レースより緊張してる。本当に俺が切っちまっていいのかい？」
『レースよりって…レースで緊張したことないんじゃない？
無理にとは言わないけど、隼人君手先器用だし割りと信じてる。』
ふふっと笑いながら目を閉じるから、Aからしたら「切れ」ってことなんだろうな。
「じゃ、じゃあ切るから動かないでくれよ。」
前髪の一房に触れ、そっとハサミを入れる。
指を動かせばパラパラとゴミ箱に髪が落ちていく。
罪悪感とも似た高揚感に心のなかで「やっばいな」なんて呟きながら。
細い黒色はあっという間に切り終わり、目を閉じたAに鏡を渡せば「ありがとう」と笑ってくれる。
「…なぁ、A。もう一回目を閉じてくれないか?」
『ん？うん』
再びゴミ箱を抱えて目を閉じるから、素直なものだ。
俺なんてこの顔見て、キスしてぇなんて最低なこと考えてるってのに。
そっと頬に触れれば、突然のことに驚いたのか肩が揺れる。
今ならキスできる、って顔を近づけても信じきってるAは疑問も持たずに待機している
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モカ(プロフ) - しおらんさん» ありがとうございます！更新亀ですがよろしくお願いします!! (2019年8月12日 23時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです！新開夢はほぼ見ないので初めてこんなに集中して読みました！かっこいいですね！続き楽しみにしています！ (2019年8月12日 15時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
餃子 - 更新頑張って下さい！ (2019年7月27日 16時) (レス) id: 88c2981b01 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 重岡 かえでんちょさん» 今晩は、はじめまして！教えていただきありがとうございます(*^^*) (2019年4月7日 23時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
重岡 かえでんちょ(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読んでいます。先程95話を拝見した時に誤字を見つけたので報告のコメントです。夢主ちゃんの台詞で「サプライズはまだしも」が「サプライズ浜田市も」になっています！更新頑張ってください、応援しています！ (2019年4月6日 23時) (レス) id: 50714d3e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2018年9月13日 22時
