彼女のお楽しみ ページ4
今日のリクルーティング活動が終わり、メンバーがホテルに帰ってくる。ホテルに入った途端、ダルメシアの鼻がピクリと反応した。
ダル「…！今日は肉だ！
それも、とびっきりうまそうな匂い！」
アップル「そうか、夕食が楽しみだな」
今にもダイニングルームへ走り出しそうなダルメシアを連れて、アップルポイズンは自室へと戻っていった。
日が沈んだ空は、星が煌めく夜に早変わりした。ダイニングルームにもリクルーター達が揃い始めたが、一人足りない。
ジョー「おい、あのハイエナ女どこいった？」
マル「そういえば、お昼から姿を見ていないね」
目を擦るエイトフットの問いに、鏡を丹念に拭きながらマルフィが答える。
その時、ダイニングルームの扉が開いた。
A「皆様、今日もお疲れ様でした。
お待たせしました。本日のご夕食でございます」
料理が乗るワゴンと共に、Aが入ってくる。しかし、今日はその後ろにある人物がいた。
スキャ「あ！スカーさん、探してたんですよ！」
スカー「なーに？そんなに私に会いたかった？」
ウィンクをしてAの後ろから顔を出したのは、嬉しそうな顔のスカー。Aは彼女を席へ誘導したあと、テーブルに座る一人一人の前に、ローストビーフが乗る皿を静かに置いていく。
全員に料理を配り終わり、スカーの元へ着いたAが口を開いた。
A「今日の夕食は、スカー様と一緒に作らせていただきました」
ダル「え゛っ」
ダルメシアが、露骨に嫌そうな顔をした。
ヴェール「…大丈夫なんですの？変なものは入ってないでしょうね？」
A「ご安心を。ちゃんと私が横で見ていましたから大丈夫です」
疑う気持ちよりAの一言が強かったようで、他のメンバーはそれを食べ始めた。
ダルメシアは葛藤した。
帰ってきてからとても楽しみにしていた匂いの正体は、自分が毛嫌いしている相手が作ったもの。
目の前のローストビーフは、少し厚めにカットされている。グレイビーソースの香りも、食欲をそそられる。
何より、キラキラとした目で見てくる彼女と執事の目線が痛かった。
ダル「……あーもう！食えばいいんだろ、食えば！」
耐えきれなくなった彼は、ローストビーフを一切れ口に入れた。
ダルメシアは目をギュッと瞑り、口の中を動かす。
何回か噛んで、ごくりと飲み込み、そっぽを向いて彼が一言。
ダル「…まあ、いいんじゃないか」
スカーの勝利の雄叫びが、ダイニングルームに響いた。
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かしおれ(プロフ) - リンネさん» リンネさん初めまして。閲覧ありがとうございます。その言葉ひとつがとても嬉しいです。お話はもう少し続くので、よければお付き合い下さいね。 (2019年1月8日 22時) (
レス) id: 8439607bfd (このIDを非表示/違反報告)
リンネ - 手下好きなので嬉しいです！凄く好きなタイプの話だったので続きが気になります！頑張って下さい (2019年1月7日 17時) (レス) id: 679ef415fd (このIDを非表示/違反報告)
まるごと林檎。 - かしおれさん» おお…！返信が来るとは…！！ありがとうございましっ！これからも見させていただきます！！ (2018年12月21日 0時) (レス) id: d45bba4278 (このIDを非表示/違反報告)
かしおれ(プロフ) - まるごと林檎。さん» まるごと林檎さん初めまして。閲覧ありがとうございます。その言葉が励みになります。もう少しお話は続くので、またよかったら見ていってくださいね。 (2018年12月20日 23時) (レス) id: 8439607bfd (このIDを非表示/違反報告)
まるごと林檎。 - 今まで見たものとは違い、全く新しいお話だったので最後まで読み進めちゃいました！これからも頑張ってください！ (2018年12月19日 14時) (レス) id: d45bba4278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かしおれ | 作成日時：2018年12月11日 22時
