補習 ページ20
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｢うーん……分からないかな？じゃあこっちは？｣
｢……2ッスかね。｣
｢そう！正解だよ、凄いね。どうしてだか分かる？｣
｢……っと、これは……｣
｢凄い……！上鳴が勉強してる……｣
｢……八百万。甘やかすのはやめろと言ったんだが｣
その相澤の言葉に八百万は眉を下げて笑った。
｢ダメだよ先生。分からない子には怒るんじゃなくて分かるように説明しないと。
それに上鳴くんは褒めて伸びる子だもんね？｣
｢ッス！｣
｢ハァ……飴細工の鞭か。｣
相澤は頭を抱え、昼の八百万を思い出していた。
一方八百万はデロデロに甘やかし褒めながら教え続ける。
｢物間くん、分からない所あった？｣
｢……え、と。｣
｢あぁ、この問題だね。｣
｢…………｣
｢この問題引っ掛かる子多いからね……さっき上鳴くんも間違えてたよ。｣
上鳴くん、という言葉を出すと物間の目が輝いた。
それを見て八百万は｢お、｣と言葉を漏らす。
｢さすが補習の生徒が五人もいるA組はこんな問題も分からないのかーーっ！！ハハハハ！｣
｢君もわかってないでしょ。ほらここを当てはめるんだよ。｣
｢おぉ、扱い慣れてんな。｣
｢どういうメンタルしてんのかわかんねぇな。｣
A組を散々煽ってから大人しくノートに顔を移した物間。
｢……出来た。｣
｢これさえ覚えれば後は数字が違うだけ。簡単だよ｣
｢………｣
｢また分からない所があったら言ってね。｣
そう言って頭を撫でると、物間は目を見開いたあと素早く頭を移動させて八百万の手を避けた。
それに八百万は密かに笑い、教科書に目を移した。
×××
｢おい八百万、起きろ。｣
現在6:30。
補習授業が終わったのが２時。
更にそのあとの教師との打ち合わせで八百万が就寝したのは3:30だ。
それに加えて八百万は低血圧。三時間の睡眠で眠れる訳がない。
｢は…？もう時間なの？｣
眼孔をかっ開いて目の下にある隈を擦りながら起きようとするも、中々起き上がれない。
｢そうだ、早く起きろ｣
｢あれ〜…？目覚まし時計セットしたはずなのに……｣
今の八百万は素手。
しかも寝ぼけていて制御があまり効かなかったのだろう。粉微塵になった目覚まし時計を見て相澤は静かにため息をついた。
｢合理的じゃないな。早く起き……｣
メコッという音がしてそちらを見れば、ベッドのヘッドボードがひん曲がっていた。
その犯人はもちろん八百万だ。
相澤は幸せが全て飛ぶようなため息を一つ吐いた。
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なほ(プロフ) - この作品とっても面白いのに終わりは悲しい...！！いつかまた更新されることを祈ります！！ (2022年8月22日 2時) (
レス) @page37 id: e03e668129 (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - 続きがとても気になります…！更新される日を待ってます！！ (2022年4月2日 18時) (レス) @page37 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - 報告のラグドールがグラドールになってますよ (2021年10月12日 17時) (レス) @page25 id: 529b7db5a1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗｲｱ@liar_onlooker - お、終わり…ですか…?('°'`) (2021年1月5日 11時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 八百万ちゃんかわいいよねー (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林 x他1人 | 作成日時：2018年8月11日 3時
