八時間 ページ15
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｢ピクシーボブさん、帰ってきた？｣
トランプを集めながらそう聞くと、ピクシーボブさんは窓を見つめたままニンマリと笑った。
｢ふふふっ……思ったより早かった。｣
｢俺も行きます。｣
｢……まだしょうぶは付いてないからな。｣
｢はいはい。｣
午後5時20分、ようやく辿り着いたA組の子たち。
皆ヘロヘロだな。
｢とりあえず、お昼は抜くまでもなかったねえ｣
｢百、おかえり。｣
｢は、はい……おにいさま……｣
｢フフ、疲れてるね。｣
｢なんでそんなに楽しそうなのですか……｣
｢そんなことないよ。この後はご飯食べたあと入浴で、就寝だよ。今日はゆっくり休んでね。｣
そう皆に呼び掛けると、やっと休めるという歓声が聞こえた。
｢先輩。｣
……轟くんは俺の後ろに立つのが好きなのかな？
皆と変わらずボロボロになった轟くんが此方を子猫のような目で見ている。
｢どうしたの？｣
｢俺、頑張りました。｣
｢……うん。そうみたいだね。｣
｢……頑張りました。｣
｢……偉いね？｣
｢…………｣
そう言って頭を撫でると、轟くんは目を細めた。
前世が猫なんじゃないかこの子は。面白いからいいけど。
｢八百万くんも手伝って！これ運んでくれる？｣
｢あ、はい。それじゃ轟くん、明日のために体力つけるんだよ。｣
｢はい。｣
マンダレイさんの手伝いで、人数分の夕食を運んでいく。
結構量があるな。皆食べれるかな……
……あの様子を見れば、すぐ平らげちゃいそうだけど。
×××
｢いただきます。｣
大皿に乗っている食材を自分の皿に移す。
まず野菜、あと魚に……うーん、肉はいいかな。油っぽいのは苦手なんだ。
それに健康にも良くない。
｢先輩も食ってんすか？｣
｢うん、俺も色々教えなきゃなんないし。｣
｢そっすか！これ！米美味いっすよ！｣
｢そうだね。土鍋で炊いたとかなんとか｣
｢土鍋…！？｣
｢土鍋ですか！？｣
うん、お腹空きすぎてちょっとテンションがおかしなことになってるみたいだ。
｢ご馳走さま。｣
｢先輩、もういいんすか！？｣
｢もともと少食でね。あとリハビリ中だから暴飲暴食は出来ないんだ。｣
そう言って席を立つ。
先生方は忙しそうだ。
途端、ぐらりと視界が揺れた。
上がる心拍数、熱くなる顔。
＿あ、これ、ダメだ。
医者から言われた。手術は成功したが、半年は発作が起こることがあると。
多分これは、発作だろう。感じたことのある息苦しさ、虚無感。
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なほ(プロフ) - この作品とっても面白いのに終わりは悲しい...！！いつかまた更新されることを祈ります！！ (2022年8月22日 2時) (
レス) @page37 id: e03e668129 (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - 続きがとても気になります…！更新される日を待ってます！！ (2022年4月2日 18時) (レス) @page37 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - 報告のラグドールがグラドールになってますよ (2021年10月12日 17時) (レス) @page25 id: 529b7db5a1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗｲｱ@liar_onlooker - お、終わり…ですか…?('°'`) (2021年1月5日 11時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 八百万ちゃんかわいいよねー (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林 x他1人 | 作成日時：2018年8月11日 3時
