蕎麦 ページ7
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｢隣、いいかな。｣
｢……はい。｣
食堂で赤白頭の珍しい子がいたから声を掛けて隣に座ってみた。
話し掛けても一切表情を変えなかった。クールだな。
｢1年生？｣
｢……？俺ですか。｣
｢そう。｣
｢1-Aです。｣
｢A組か。それなら百と同じクラスだね。｣
｢百？｣
｢八百万百、俺の妹だよ。俺は八百万A。君は？｣
｢……轟焦凍です。｣
｢……へぇ、君が。｣
ポツポツと不思議と続いていく会話。
この子、本当に表情変えないな。目の前のそばに夢中みたいだ。
｢百から話は聞いてるよ。凄い個性の方だって。｣
｢ありがとう、ございます。｣
｢そうだ、林間合宿。あれ相当キツイらしいからね。体調には気を付けるんだよ。｣
｢……らしいって、去年行ったんじゃないんですか。2年ですよね。｣
｢あぁ、去年はほとんど病院生活だったから……林間合宿も行ってないんだよ。｣
彼の表情が、初めて崩れた。
目を開いた彼の顔に微笑んでみせると、ふと顔を戻してまた蕎麦を食べ始めた。
｢……何の病気、ですか。｣
｢言っても分からないと思うよ。世界でも例が少なくて、正直手術が成功するとは思わなかった。｣
｢……そ、ですか。｣
｢……心配してくれたのかい？見ず知らずの俺を。｣
スッと目を見つめられる。
そのオッドアイの目は、どこか違う誰かを見ているようだった。
｢……あんたは、八百万の兄さんだ。それだけで見ず知らずじゃねぇ。｣
｢……ふぅん、随分とお人好しだね。ま、ヒーローはそんなもんか。｣
無意識に、その柔らかい色の違う髪の毛を撫でていた。
｢おっと、ごめんよ。つい癖でね。それじゃ……林間合宿頑張ってね。｣
立ち上がろうとしたが、彼の手が俺の制服を掴んでいるので上手く立ち上がれない。
｢……どうしたの？｣
｢……あの、連絡先。｣
｢あぁ、そういうことか。いいよ、交換しよう。｣
連絡先を交換して、スマホをポケットに入れる。
ふと彼を見れば、心なしか目が輝いているような気がした。
…これは、仲良くなれたってことでいいのかな。
一年生は面白い子が多いなぁ。沢山連絡先貰っちゃった。
帰ったら百に自慢しよう。
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なほ(プロフ) - この作品とっても面白いのに終わりは悲しい...！！いつかまた更新されることを祈ります！！ (2022年8月22日 2時) (
レス) @page37 id: e03e668129 (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - 続きがとても気になります…！更新される日を待ってます！！ (2022年4月2日 18時) (レス) @page37 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
海月 - 報告のラグドールがグラドールになってますよ (2021年10月12日 17時) (レス) @page25 id: 529b7db5a1 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗｲｱ@liar_onlooker - お、終わり…ですか…?('°'`) (2021年1月5日 11時) (レス) id: b78cc7195a (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - 八百万ちゃんかわいいよねー (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小林 x他1人 | 作成日時：2018年8月11日 3時
