オトメナ、ホクト。 (ページ7)

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完成した姿を見るなり、北子は目をまん丸くした。

なんとまぁ、50の母より汚かった髪の毛が、
噂の京子さんくらいツヤツヤではないか！

あんなに馬の毛のようだった髪の毛が、
こんなにも光り輝く黒髪になるなんて！

　北子は頭の上に音符を並べた。

しかし、顔をよくよく見ると、ニキビだらけだった。

北子は、洗面器のすぐ横にある棚を覗いた。
ピンク色の筒が目に入ったので、手に取って、裏を見た。

《化粧水》

　母の字で、言葉少なにそう記してあった。

たしか、化粧水は肌をなめらかにするもの...だったかな？

北子は早速、化粧水を手に注いだ。
少し多めになってしまったが、これでいいや！
と、顔につけた。

優しく頬を摩り、馴染みこませていった。

　鏡を見た。
ニキビは目立つものの、土台の白い肌が輝いて見えた。