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｢じゃあ、俺と付き合わない──？｣
｢──え?!｣
｢だから、俺と付き合ってよ、北子ちゃん
そんなに後ろを向いても、だーれもいないよ(笑)｣
樹のいきなりの告白に、北子は目を白黒させました。
いつかの日の初恋の感情に、なんだか似ているような、
そんな気がしました。
｢え──でも、京子さんが……｣
｢京子ちゃん？あぁ、慎太郎の恋人ね｣
｢え？し、慎ちゃんのこと知ってるの？｣
｢あぁ、俺の弟だもん｣
北子は沢山の情報の渦に、失神しそうになりました。
北子は目をぱちくりして、｢四人兄弟なんですね……｣と、呟いた。
｢え、俺は三人兄弟だよ？｣
｢はぁ？｣
｢上から、俺、ジェシー、慎太郎だけど……｣
｢じ、じゃあ、ジャスティンさんは──？｣
北子は自覚していないその上目遣いで尋ねました。
樹は目をぱちぱちさせたあと、｢あぁ、｣と、笑いました。
｢それ、慎太郎だよ(笑)｣
｢──？｣
｢慎太郎、ジャスティンっていう謎のあだ名があるのよ(笑)｣
｢えー……そうだったんだ……｣
北子は自分の犯した間違いに頬を紅潮させつつ、
ひとり、心の中納得していました。
(母がなぜジャスティンと親しく喋っているんだ？
と思ったら、慎太郎だからか！)
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｢で、俺と付き合ってくれるの？それとも、ダメ？｣
樹は悪戯っぽく微笑みました。
──こいつぅ、私で楽しみやがってぇ！
｢わ、わかった！とくべつ！｣
北子はちょっと頬をふくらませて、
それでも吹き出して、でも涙が出てきて、
思わず｢ずっと…じゅいのことすき……だったぁ……ﾋｯｸ｣と、
口からついて出てきました。
北子は自分の口から出た言葉に驚いて、
思わず口を両手で押えました。
｢もう、北子はかあい！｣
樹はニコッと微笑んで、北子の頬の涙を拭いました。
Happy end
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作者名：おぞーに | 作成日時：2022年6月7日 20時
