16話 ページ16
｢かっちゃん！？｣
勝己が自分を庇ってくれたのだと理解したとき、彼の体中にヘドロが巻きついていた。
｢うる、せぇ！！あっちいけ！！！｣
｢かっちゃん…！かっちゃん！！！｣
焦ってヘドロを剥がそうとするが、流動的で上手く掴めない。
『大丈ー夫。身体を乗っ取るだけさ落ち着いて。すぐ楽になるさ』
勝己は身体を乗っ取られないように必死に抵抗し、苦しそうにもがいている。
かっちゃんが…！私じゃ助けられない…！
どうすれば。途方に暮れていると、｢何してるんだ！！早く離れろ！！｣と怒号が飛んだ。
そこでようやく、この騒ぎを聞きつけた人達が大勢集まっていたのだと気づく。
体を乗っ取られまいと全力で抗っている勝己がボンボンと爆発をおこし、苦しそうにうめいた。
その爆破に巻き込まれそうになったとき、プロヒーローなのだろうか、コスチュームを着た男性がこちらへ駆け出してきて、そのままAを抱え上げた。
そして安全な場所へと移動するや否や、｢危険だ！何故すぐ離れなかったんだ！｣と叱責された。
｢ひっ、あの、ごめ、ごめんなさい｣
Aは見知らぬ大人に怒られたことで、今まで我慢していた恐怖や焦りといった感情が溢れ出しポロポロと涙がこぼれる。
｢ヒーローさんお願いです！かっちゃんを助けて…！｣
｢…今この場にこれを解決できる奴がいねぇんだ。あの子には悪いが誰か有利な個性が来るのを待つしかない｣
そんな。そんなことってあるだろうか。かっちゃんは今も苦しみもがいているのに、もう少しだなんて曖昧な時間を待つなんて。
獣のように唸る勝己を見て、引っ込んだと思った涙がまたせり上がってくる。
──誰もが個性が合わないからと立ちすくむ中、誰よりも先に飛び出したのは無個性の出久だった。
｢出久くん！？｣
見ていた周囲の人々もどよめく。
｢馬鹿ヤロー！！止まれ！！止まれ！！｣
｢無駄死にだ！死にたいのか！！｣
人々の注意も聞かず、出久は勝己のもとに走り背負っていたリュックを投げつけた。
そのまま何とかヘドロを離そうともがくが、やはり流動性のせいで掴めない。
悪化の一途をたどるばかりの状況に、プロヒーローたちが焦り駆け出そうとしたとき。
颯爽と現れたオールマイトが、上昇気流を生み出し天気すらも変えてしまうパンチで、ヘドロを風圧で吹き飛ばした。
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琴音 - 率直に言おう 泣いた 心臓痛い 涙腺崩壊 私自信かっちゃん、めちゃくちゃ好きだからこれはヤバかったです。泣いたよマジで(逆ギレ)…うん。落ち着こ…うん。 とにかく！更新停止中って見てガーンってなりました。更新するの待ってます頑張ってください。 (2018年11月12日 23時) (
レス) id: 5ea2581f57 (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - ヤバい泣いた (2018年8月6日 10時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
マリー・テレーズ - 続き、気になります(>_<) 早く更新復帰して下さい 楽しみにしてます (2018年4月9日 22時) (レス) id: 681c9fa44a (このIDを非表示/違反報告)
冬桜ノ夜??(プロフ) - ヤバいキュンキュンしすぎて心臓破裂しそう！ (2017年12月18日 20時) (レス) id: fede09adb9 (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ(プロフ) - ねんさん» コメントありがとうございます！！個人的に片思いでこじらせてる展開が大好きで、趣味1000%で書いてる話なんですが、キュンキュンしてもらえたようでよかったです！(*^^*) (2017年12月3日 14時) (レス) id: 13d6972138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎちゃ | 作成日時：2017年10月29日 19時
