まだ続いていた私の初恋。3 【名前変換オリジナル】

☆79　水泳の。　 ページ3

あれは小学6年生の夏。
体育の時間が水泳だった。


小さい頃に溺れた経験がある私は、あの頃もカナヅチのままだった。

水泳の時間なんて大っ嫌いだった。
まあ、運動音痴だから運動はなんでも苦手だけどね。


準備運動をして、次々プールに入っていくみんな。


「A！一緒に入ろ？怖くないよ？」


あの頃はまだ千晴と仲が良くて、千晴は私がカナヅチってことを知っていた。


「む、無理だよぉ…怖い…。」


カナヅチだった私は、プールに入ることさえも怖かった。
足は普通に着くんだけどね。


「大丈夫だって！足着くでしょ？」

「でもぉ〜…。」


臆病な私は入るのをすごくためらっていた。


その時だった。


「藤崎。先生がお前のこと呼んでたぞ？運動委員の仕事じゃね？」

(な、永井くんだぁ！)


「え？ほんと？圭。」

「うん。」


「分かった！Aごめん！うち行ってくる！」


「そ、そんなぁ〜…。」


私は千晴を見送った後…まだ後ろにいる気配を感じて静かにふり向いた。


「成瀬って泳げないの？」


.


.


ドキーン！


(うわぁ…永井くんにカナヅチってバレちゃった…恥ずかしい…。)


「う…ん〜？」


「なんで疑問系なんだよｗ」


「あっ…ごめんなさい。」


「なんで謝るんだよ？」


「あっ…えっと…。」


(ダ、ダメだ！永井くんとしゃべるときめっちゃ緊張する…。)


.


.


.


何を話せばいいのか分からなく、混乱した私。


.


.


.


.


.


「俺が泳ぎ教えてやってもいいぞ？」


「え。」


その時のあなたの顔は…どこか怪しげに笑っていた。

でも、私にとってはちょっとワイルドなまぶしい笑顔だった。

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