まだ続いていた私の初恋。3 【名前変換オリジナル】

☆92　誰よりも好き。　 ページ16

〜千晴side〜


早野と離れたところをチャンスに、圭に駆け寄った。

圭に聞きたいことがあった。


「あの子に…Aに人工呼吸したの…？」


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彼は静かに微笑み。
「したよ。でも、命に関わることだから当たり前じゃん。」


と、潮風に紛れて消えてしまいそうな弱い声でつぶやいた。


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そう…だよね。


圭は、Aを人として救ったんだよね。

命を救ったんだから、すごいことだ。


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「じゃ、俺ちょっと疲れてるからさ。ごめんな？」

圭はそう言うと、うちの頭をソッと撫でた。


そして歩いて行ってしまった。


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彼はいつもうちに優しくしてくれる。


いつも笑顔で、いつも優しい笑顔で。

嫌な顔1つせず、うちの側にいて。

しゃべり方も、いつも気を付けて優しい口調で。


それはうちにとって…


圭のことを好きなうちにとっては…すっごく幸せなことなのに。


なんで…


なんでこんなにも悲しいんだろ。

なんでこんなにも寂しいんだろ。


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彼の優しさに応えたいのに。

彼の優しさはいつも偽りって分かってるから…。


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早く…

うちだけに…


本物の優しさを注いで欲しい。


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彼は誰が好きなの？


中堂姫華？

A？


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うちはしばらくその場に立ち尽くした。


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なんでこんなことになっちゃったの…。


圭のこと好きなのに…誰よりも好きなのに…。

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