☆87 気付いた。 ページ11
そんなこんなで。
私は圭くんに荷物を持ってもらって登ってたんだ。
そしてだんだん強くなってきた雨。
(寒い…。)
体力もない私に、あの時の山登りと雨はかなり大きなダメージだった。
かと言って傘を差しながらの登山も危険だった。風強かったし。
「成瀬、しっかりしろよ。」
体力のある圭くんは私に気遣いながら軽々と登っていた。
(やっぱり永井くんって優しいよね…なんで普段は怖いんだろ。)
そう思って、私の前を歩いているあなたの背中を見つめた。
その時。
.
―――ガッ!
「きゃっ!」
「成瀬!?」
雨のせいで、地面が濡れていて私は滑ってしまった。
「大丈夫かよ…バカだなぁ。」
「うう…ごめんなさい…。」
「謝んなよ。」
「…。」
私は圭くんの肩を借りて立ち上がった。
だが、
「いったぁ…。」
膝をひどく擦りむいていた。
血が出てて、痛々しい傷。
「あーぁ。ほんと、お前ってバカだなぁ。」
(さっきからバカって言われっぱなしだな…。)
まあ、あの時の私の体力のなさが悪かったんだけどね。
(…どうしよ。このままじゃ歩けない。)
「歩けないだろ?」
「えっ。」
「ほら。」
私の前でしゃがんだ圭くん。
その時の私は、どういうことなのか分からず戸惑った。
「ほら。おんぶだって、早くしろ。」
(お、おんぶだってぇ!?)
「そ、そんなのいいよ…私、重いし。」
私は慌てて断った。
これ以上圭くんに迷惑をかけたくなかった。
.
.
だが、そんな私を見て圭くんはムスッと不機嫌そうな顔をして。
「ごちゃごちゃ言ってるんじゃねーよ!バカ野郎!」
「わっ!ちょっと!永井…くん…。」
私を無理矢理おんぶさせた。
.
.
.
.
.
「別に重くないじゃん。俺様をなめんなよ?」
.
.
.
「あ、ありがと…。」
「…別に。」
.
.
.
.
(今度はありがとうって言えた…。)
あの時の、あなたの背中は…とっても温かかった。
同時に私の身体も熱くなっていった。
とってもドキドキした…。
.
.
.
.
.
.
そしてあの時気付いたんだ。
(あの5年生の運動会のときから…私は永井くんのことが好きだったんだ…。)
☆88 助けてくれたのは。 →←☆86 6年生の修学旅行も。
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Nanampool(プロフ) - めっちゃいいです♪ (2012年10月17日 17時) (レス) id: a85a38be95 (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - みーさん>応援ありがとうございます!これからもよろしくです^^ (2012年3月5日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - フウカさん>嬉しい言葉ありがとうございます!!応援してくれたら私は頑張れますよっ♪ (2012年3月5日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - 忍さん>お久しぶりです!両方とも、皆様の期待に応えれるように更新頑張りますよ!☆ (2012年3月5日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - もふさん>ありがとう!^^応援なんて、嬉しいです!☆ (2012年3月5日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚季 | 作成日時:2012年2月9日 18時