Fairy Tale 【avntis】 (ページ9)

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ep9 ページ9

エ「あのさ、文化祭でやる花火一緒に見よ

2人で。」

一瞬の沈黙が訪れた後、一気に心拍数が上がった様な気がした。

エイジくんの放った「2人で」の意味を考えると

エイジくんが私なんかの事を好きなんじゃないか、なんて勘違いしそうになった。

その上、毎年行われている花火はカップルが一緒に見るものとして名高いイベントなのだ。

そんなイベントに、エイジくんと、二人っきりで楽しめるなんて夢のまた夢で、頭がクラクラした。

自分の顔が真っ赤になっていないか心配しつつも

「う、うん」

と答えたその声は少し上ずってしまった。

笑顔で言えたかな、緊張してるのバレてないかな、なんて色々考えていると

エ「声上ずってんじゃん笑

じゃあ、これ決まりね」

とエイジくんは余裕そうに笑った。

ほんとこの人にはかなわないなあ。

昂る鼓動が冷めやらぬまま、

ガラッと扉が開く音がすると同時に

そ「失礼しまーす、Aいる？大丈夫？

あれ、えいちゃん？」

元気そうなそらの声が保健室に響いた。

そ「えいちゃんさっきの授業居ないと思ったら保健室に居たのか、俺もここでサボれば良かった」

エ「お前は授業受けなきゃダメ」

「そうだよ、赤点回避頑張れ笑」

そ「2人とも馬鹿にしやがって！次のテスト全部赤点回避するから！！！」

エ「言ったな？」

「お！できなかったらどうする？」

そ「2人にハーゲンダッツ奢る」

「やったー！！」

「やったね、えいちゃん！」

エ「ほぼ確定でハーゲンダッツゲットだな笑」

そ「お前ら見とけよ！！」

すぐに楽しい会話が繰り広げられた。

2人と仲良くなって本当に良かった。