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今朝も1人で身支度を済ませて、1人で朝食をとった。
玄関で靴を履いていると突然扉が開いて、私ははっとして顔を上げる。
そこには会いたくてたまらなかったユンギ先生が、少し疲れた顔をして立っていた。
「…ユンギ先生！おかえりなさい」
YG「ただいま、A。今出るとこ？」
「うん。朝ごはん作ってあるから食べてね」
YG「ん、ありがとな。…ごめん、ちょっといい？」
立ち上がった瞬間、先生の腕が背中に回って緩やかに抱き寄せられる。
安心したように息をつく先生からは、ほのかに消毒薬の匂いがした。
久しぶりに触れられたことが嬉しくて、私も先生の胸元にぐいぐいと頬を押し付ける。
「お疲れ様、先生。今日はゆっくり休めるの？」
YG「あぁ。夕方からまた出ないといけないけど、それまではな」
「そっか。ちゃんと寝てね？」
YG「わかってるよ。…って、こんなことしてる場合じゃないよな。そろそろ行くか」
思い出したように呟くと、当然のようにポケットから車の鍵を取り出す先生。
「今日は送ってくれなくていいよ、私1人で行けるから」
YG「は？なんでだよ。俺のことはいいから気にすんな」
「電車で行くつもりだったから、友達と駅で待ち合わせしてるんだ。だから歩いて行く」
YG「そうか…わかった」
無理をしてほしくなくて咄嗟に嘘をついてしまった。
もう少しこうしていたいけれど、そろそろ行かないと電車の時間に間に合わない。
せっかく会えたのに、と思いながらも先生から離れて、扉に手をかける。
「じゃあ行ってきます！ちゃんと休まなきゃダメだからね！」
YG「ははっ、わかったわかった。行ってらっしゃい、気を付けてな」
そう言ってぽんぽんと頭を撫でてくれた先生に手を振って、私は家を出た。
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作者名：yuzu | 作成日時：2022年6月5日 21時
