薬研 回想 ページ35
「男童でなく、女童だったのか。」
「私は、あのようないたいけな女子に刃を向けていたのですか･･･？」
「あの量の呪詛を体に抱えたまま、今まで戦っていたと言うのかい？
私が祓った呪詛だけじゃ、なかったのかい。」
旦那達やいち兄は茫然とし、縁側まで続く血だまりを見ていた。
明石の旦那は心此処にあらず、と言う風に刀もしまわず、ただ赤く染まっている一点を見つめる。
何となく、予感はしてた。そこまで悪くない奴だって。
分かっていたけど弟のことを思うと、殺らなきゃいけなかった。あいつらが傷つくのは見たくなかった。
でも、
一番傷ついてたのは、あんただったのかよ。
なぁ、なんであんたはそんなに強い？
どうしたらそんなに心が強くなれる？
なぁ、なんでそんな大きな傷、悟られないように演じきれたんだ？
その呪詛を体に縛ったままどうやって普通以上に過ごせる？
いや、その前に、なんで俺の刃を貫通させて立ってられるんだ。柄まで通っていたのに。
「俺っちは、なんのために、修行に行った！」
叫ぶ。
心から叫んだ。
もう戻れない。
俺は俺の主となるべき奴の腹を切った、
あぁ、愛染が羨ましい。守り、守らせてくれる主人を見つけたんだから。
こんなことしてしまった今だが、まだ間に合うか？
走った。いち兄の止める声も聞かずに、
あいつが行ったゲートの方に走った。
あいつの式の黒いこんのすけが、閉じたゲートの前に座っていた。
「里月様･･･。
っどうされましたか？薬研藤四郎様。」
「里月･･･は、」
「先程、緊急要請のあった本丸へと行きました。」
遅かった。
「ごめん。
ごめんなさい。
たいしょぉ。」
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逢魔夕(プロフ) - NaAさん» ありがとうございます！！そう言っていただけるととっても嬉しいです(^^) (2017年7月26日 23時) (
レス) id: e1b3ba4770 (このIDを非表示/違反報告)
NaA(プロフ) - 続編おめでとうございます！！続きが 楽しみです！！ (2017年7月26日 21時) (レス) id: 9e11f50eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逢魔夕 | 作成日時：2017年7月26日 12時
