▼ ページ20
「ちょっと神城クン!べ、別に熱があるわけじゃないから!」
焦ったように反論している。
いつもこちらが振り回される側だからか、こういう狛枝は新鮮だ。
「そう、なのか?結構熱かったけどな……体調悪かったら言うんだぞ、
流石に病人を拘束させるわけにはいかないからな。」
………おそらく監視はつくがな。主に俺か日向が。
「うん、わかったよ……だから、その……そろそろ手、放してほしいな…。」
「………あ、ごめん。」
頬を触っていた手を放す。
さっきおでこを当てた時にどっか向かれないように支えてた手だ。
「さて、改めて――
「そのことなんだけどっ、日向くん連れて来てくれないかなっ!?」
……えぇ?」
俺が狛枝の言葉を遮ることはあれど、狛枝が俺の言葉を遮るのは初めてだったから、
すこし困惑する。
「…………俺じゃ、だめなのか?」
「うっ……いや、そういうわけじゃないんだけど…。」
眉を下げて、悲しそうな顔をする。
長年の芸能界の世渡り術で身につけた演技は狛枝にも通用するらしく、動揺していた。
………ここまで反応が良いと、もう少しからかいたくなるよな。
「…そうだよな、俺のことなんか嫌いだもんな……。」
「え…………」
顔を手で覆い、しくしくとわざとらしく泣くふりをする。
いつもの狛枝なら、ここで気づきそう、だけど………
「きっ、嫌いとまでは言ってないじゃんっ!!」
かかった。にやっと口角が上がるのがわかる。
バッと顔をあげ、その勢いで詰め寄る。
「じゃあ狛枝は俺のこと好き?」
「あ………。」
引っかかった! という顔をしているが、そんなの気にしない。
このまま畳かけよう。
「で、どうなの? 俺のこと好き?」
「う……。」
「……狛枝〜」
「………ああもうっ、好きだよっ! これで満足っ!?」
「んー俺も好き〜」
さっきと同じくらい、いや、さっきより顔が真っ赤になっている。
でもさっきより不服そうな顔だ。
「…ん? そんな不服そうな顔してどうしたんだよ。」
「神城クンの好きと、ボクの好きは違うと思うんだけど……。」
ボソッと、消え入るような小さな声でそう言う狛枝。
今日は新鮮な姿ばっかり(色んな意味で)で、なんだか可愛いな、
と場違いにも思ってしまった。
「え、なにそれどういうこと?」
「………教えない。」
「なんで!? 教えてよ!」
「やだ。」
その後このことだけはどうやっても教えてくれなかった……
日向くんhappybirthday!→←ライクなのか、ラブなのかということ【狛枝凪斗】
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奇花琉 - 男主系のダンガンロンパとかキミガシネとかの短編集少ないからめっちゃ嬉しいです!こうしん (12月23日 10時) (レス) id: d03b24d678 (このIDを非表示/違反報告)
奇花琉 - 男主系のダンガンロンパとかキミガシネとかの短編集少ないからめっちゃ嬉しいです!更新頑張ってください! (12月23日 10時) (レス) id: d03b24d678 (このIDを非表示/違反報告)
優奈(プロフ) - シンくんかわいい! (7月8日 20時) (レス) @page28 id: 697e3eefbe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽんず。 | 作成日時:2022年9月19日 15時