スキの増加 暴風警報。【Nrarikawa.N】

暴風警報。7 ページ8

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あれから特に会話もなく、特に事件などなく。






今は二回目の美術館デートである。


まぁ珍しいことに塗からのお誘い。









“美術館、行かない？"






昨日の塗の言葉を思い出し顔が赤くなること100回。




『うへへー..。』


塗「…きも」






……きもいと言われること100回









周りから見てどんなカップルなのだろう。



周りの視線が痛い気が………。





とか思いながら美術館を回っている今。




鮮やかなピンクで描かれたチューリップの絵を眺める。



塗は 緑の森特設絵画コーナー に行ったんだけど。





もしやアイツ、なんとかコーナーを見たくて此処へ？




だって着いた途端目にも止まらぬ速さで行ったよ？




とまぁ少しだけ疑心暗鬼になりながら絵を見る。



何とも思ってなかったチューリップでも、とても
美しく描かれていて、絵は凄いなぁと感心。









タイトルなんだろ。チューリップだから、愛、とか。






『えーっと、タイトルタイトル……、』







「ーーーーーーー永遠の愛。」



『…え、』




フワりと香る定食屋に似つかわしくない、甘い香り。




「永遠の愛、ってタイトルですよ。」



『え、あ…ども。』





黒い帽子で顔は見えないが、懐かしい、その香り。




「チューリップって、愛の花言葉だらけなんですよ。

特にピンク色は。」


『そ…、そうなんです……ッ！？』






顔を上げた途端、遠くへ行ったその香り。





即ち、居なくなったのだ。さっきまで居た人物が。




そしてその顔は、ある人物と似ていて。







(…そんなわけ、ないか。)







脳裏に浮かんだ人物を咄嗟に消す。












塗「……。」

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