赤丸チェック ページ4
昨日の身体測定は楽しかった
そりゃもう超絶愉快だったとも
担任の相澤先生はどうやらお気に召さなかったようだけどね
何が愉快だったかって、勿論彼だ
爆発さん
何とも物騒な掛け声とともに放ったボールが700Ｍも飛べば、まだまだ子供な私達は目を輝かせた
だって、個性を思い切り使える
けれど先生はそれが気に障ったのだろう
優しい先生だ
"個性"は"楽しく面白い"ものじゃない
使い道を間違えば、他者を傷つけるものだ
命を奪うこともある
私の個性だって危険なものだ
推薦のウルトラマン(イケメン)も、黒目活発女子も、兎に角皆
扱いを誤れば大惨事になりかねない
敵もヒーローもやってることは同じだもの
と、私は思うのだけど
個性を使って誰かに手をあげてるからね
ただ、ヒーローの個性使用と暴力は合法
敵は違法ってだけ
本質は同じ
だからこそ、ヒーロー科では特に教え込まなくちゃ
個性の心得を
まぁ、除籍処分は嘘だったようで安心した
合理的虚偽ってやつだ
本当に嘘なのかと疑いたくなる程本気の眼だったけど
私はある程度個性を使い慣れていたけど、クラスメイト達はそうでもなかったみたい
推薦2人は流石だった
特に八百万の万能感は凄い
轟のは細かい操作ができればもっと汎用性が高まるんじゃないかな
でも、目を見張ったのはやっぱり彼
爆発さん
爆豪勝己は赤丸チェック
八百万のような才と財のある家柄でもなく
轟のような地位と権力のある家柄でもなく
爆豪は、平凡な家柄の平凡な少年だ
ただ、他人よりも要領が良いのだろう
そして、負けず嫌いの努力家で野心家
誰に教わったわけでもなさそうだが、個性の扱いが上手い
ちょうど良い踏み台だ
非凡な才などなくとも伸し上がって見せる
非凡も平凡も全て喰らい尽くして高みへ
そう決意して、私は雄英の門を潜ったのだから
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