ゆるふわ毛玉本丸の日常 (ページ22)

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大倶利伽羅の話ページ22

｢バスケか！ほいたらワシが長やにゃ！｣

暇な時に漫画や雑誌を読みあさりゲームをやり込んで現代の文化を満喫していた陸奥守がいち早く手を挙げた

｢５人１チームやき、非番のもんから４人連れてきとうせ。ぐっぱでチーム決めて、ワシのチームはバスケを知っちゅうワシが長、相手チームは精神的支柱になるもんか戦況分析が得意なもんがえいにゃあ｣

てきぱきと指示を出す陸奥守に慣れた連中はすぐさま従い、顕現初日の大倶利伽羅は目を丸くする

戦闘時もそうだったが、この初期刀は猫でも被っているのかと疑う

平時とまるで人が違うではないか

こんなの絶対おかしいよ……

鳴狐他３名を巻き込み、計10人が陸奥守の掛け声でグーかパーを出す

｢ぐっぱの揃いぞね！ぞーおーね！かえるぞね！ぞーおーね！｣

何度目かで綺麗に分かれると、軽いルール説明と練習がなされて後は実践だと早速試合が始まった

結果から言えば、陸奥守チーム大勝利である

唯一バスケを知っていたのだから当然の結果とも言えるが

大倶利伽羅は運良くというべきか陸奥守チームであったため、勝利を収めることとなった

旧知の真っ白しろすけではないが、驚いた

思えば今日は驚きの連続だ

”楽しかった？”と毛玉が紙を掲げる

｢あぁ｣と味気ない返事をすれば、ふわりと目尻が下がる毛玉

嬉しいのだろう

”チームワークわかった？連携とれた？”再び質問

チームワークとは、連携に類似する意味合いだろうかと判断し、大倶利伽羅は再び首肯した

｢あいつは、凄い奴だな｣

見方だけでなく対戦相手とさえハイタッチを交わしてお互いの健闘を祝福する陸奥守を一瞥し、呟く

彼は本当に凄まじかった

龍の如くコート上を駆け巡り、ボールを回し、試合を操った

味方の様子を常に伺い、的確に確実にフォローを入れる

最初の2点は陸奥守が決めたが、後は全て陸奥守のフォローによる味方の点数である