ゆるふわ毛玉本丸の日常 (ページ21)

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大倶利伽羅の話ページ21

まさしく反抗期の男子高校生である

そんな大倶利伽羅を含む第一部隊は敵の首をとり、帰城した

中傷に至らない怪我を背負う各々、表情は晴れない

｢その、悪かったな｣

五虎退に、毛玉に、大倶利伽羅は頭を垂れた

末席とは言え神の名を冠する大倶利伽羅が頭を下げるなんて一大事だ

毛玉は驚いたどころか慄き慌てふためきどうにかして頭を上げさせようとした

それでは意味がない

大倶利伽羅が詫びた事に対して、その内容に対して何らかのリアクションが必要なのだ

何となく察した五虎退は笑って、｢は、はい！大丈夫ですよ…！｣と応えた

気にしていないと、許すと受け取った大倶利伽羅は安心したのか僅かに口元を緩めると、改めて毛玉へ向き直し再び謝罪の言葉を述べた

あわあわする毛玉は短刀に勝るとも劣らない機動で母屋の方に逃げてしまい、大倶利伽羅は所在なさげに立ち竦むはめになってしまった

他の面々は何故か微笑ましそうにその光景を眺めている

じとりと視線をやれば、大丈夫だ気にするなと口々に言う

いや気にするだろう、仮にも主に逃げられたんだぞ

更にジト目を送るが生暖かい周囲の目は変わらず

諦めて本日何度目かの溜息を吐いた

と、そこへ

相変わらず驚きの機動で戻ってきた毛玉は何故か白い紙と筆を携えていた

墨はどうする気だと問えば、後方から鳴狐のお供が硯を携え走ってくる

硯を持つならお供ではなく鳴狐本人の方が良くないか？と誰もが思ったが残念ながら口にはしなかった

｢それで、どうするんだ｣

大倶利伽羅が再度問うと、毛玉は白い紙に筆を滑らせる

｢なんじゃなんじゃ｣と陸奥守が興味津々に近寄り、｢今度はどんなトンチキな事をしでかすんだ、大将？｣と薬研が喉を鳴らして笑い、｢新しい遊びですか？｣と鯰尾が目を輝かせる

皆の注目を一身に浴びながら毛玉は誇らしそうに書き上げた半紙を掲げた

曰く、”バスケがしたいです”

皆一様に口を開けた

ポカンと、呆気にとられた

お供が補足説明を買って出る

｢ばすけ、とは外つ国のすぽーつだそうです！此度のお怪我の要因は何でもちぃむわーくの無さということで、主様の粋なはからい！わたくしめは感激致しました！ばすけを通じて、楽しみながら親睦やちぃむわーくを深める狙いとの事です！｣

らしい