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ひとしきり抱き締めてもらったあとの私はまた、夢野さんに色々な場所まで連れて行かれた。
さっき本屋さんに寄ったばかりだというのに、彼はまた別の書店に入っては、店員のおばあちゃんと話し込み始めて。
隣で私が手を繋いでいるというのに、私のことなどまるでそっちのけで会話を楽しむ夢野さんに、チラッと視線を送ってみる。
すると彼がタイミング良く私に向かって「ねえ、貴女もそう思いますよね？」と同意を求めてくるものだから、私が適当に「そうですね」なんて相槌を打つと。
おばあちゃんは嬉しそうに「ほほう、あなたもそう思うのかい」と、微笑んできて。
すっかりおばあちゃんに懐かれていた夢野さんは彼女に言われるがままに数冊の本を購入し、ようやく店を出た。
すっかり暗くなった空を見た彼は「夕食にしましょう」と言って。
複合施設のビルのレストランまで招かれた私は、彼の奢りでそのまま美味しい料理にありつけることとなってしまった。
あれだけたらふくご馳走になったのに、全然腹が満たされた感じがしない。
身体も羽のように軽いままで、果たして自分の身体が正常に機能しているのか心配になった。
「もう少しの辛抱です。乱数と帝統に、もうすぐ会えますよ」
薄く笑った彼の横顔を見ながら、ぼんやりと考える。
ラムダとダイスって、誰なんだろう。
彼のお友達？
疑問に思いながらも問いかけることはせず、もう繋ぐことにすっかり慣れてしまった彼の手をきゅっと握り返す。
それにしても、今朝あの和室で目覚めたときから感じていた、この身体がふわふわと浮くような感覚はいつまで続くんだろう。
今日丸一日あれだけ歩き回ったというのに、全然疲れた感じがしない。
私は元からそこまで体力のない人間だけれど、こう都合よく足の軽やかな日があっても良いのか。
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美月(プロフ) - 糖分さん» コメント気づかず遅くなってしまい申し訳ございません(; ;)ありがとうございます、そう言っていただけて嬉しいです…！これからも応援よろしくお願いします。 (2020年5月27日 18時) (
レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
糖分 - ひえ〜〜好きです(；▽；)らむだくんや三郎くんの小説も応援してます！ (2020年5月22日 12時) (レス) id: e6fa3a79ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年5月22日 3時
