宝*122 ページ2
食事を済ませ、優依くんと共にお風呂に入り、
そして明日の支度をお互いに終えて、部屋で寛いでいると、スマホに着信があった。
ディスプレイに表示されているのは昴くんの名前で、
珍しいなと思いながら応答すれば、『遅くにすみません』の声。
「いいんだけど……どうしたの?」
布団に寝転がっている優依くんをちらりと見れば、ゲーム機を握ってウトウトとしている姿。
そしてすぐにそのまま眠ってしまった優依くんの手からゲーム機をとり、
きちんと寝かせて布団をかける。
『いえ、少しお話したいことがありまして。
明日学校が終わったらすぐ会えませんか』
「明日……」
ランドセルの中身を予定表と併せて確認しながら、昴くんの言葉を復唱する。
明日は学校が終わり次第またすぐに優依くんのお迎えだ。
だけど昴くんの口調や声音が、なんだか大事なことを話そうとしている雰囲気を語っていた。
『都合、つきそうにありませんか』
「あ……ううん、ただすぐは難しいかな。
ちょっと謙三さんに聞いてきてもいい?折り返すよ」
『ええ、わかりました。
すみません、無理を言ってしまって』
大丈夫だよと言い、電話を切る。
照明を暗くして部屋をでると、謙三さんの私室へ向かう。
障子の向こうから漏れる明かりに、人影が揺れていた。
「謙三さん、いる……?
私、Aです」
そう声をかければ、中から入りなさいとの返事を受け、障子を開けた。
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作者名:謙 | 作成日時:2018年5月23日 22時