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宝*05 ページ5

私はベッドで。安室さんは横に椅子を持ってきてそこに座り、
お互いにまろやかプリンを食べながら談笑をする。
骨折したのが左腕で良かった。右腕なら今頃このプリンをお預けのところだ。

「ケーキにしようかとも思ったんですが、この時間じゃどこも開いてなくて。
 だけどこっちにして正解だったようですね」

「うん、このプリンすごく好き。
 ありがとう、安室さん!」

「どういたしまして」


安室さんは、私が眠くなるまで話に付き合ってくれていた。

トオルってどう書くのと聞けば、"(すける)"だと教えてくれだけれど、
それ以外のことはほとんど教えてくれなくて、分かったのは、彼の年齢と職業だけだった。
思っていたより年上で、詐欺顔だねと言えば、少しだけ怒られた。
どうやらあまり童顔を好まないらしい。たぶん。


「そういえばどこに行ってたの?」

「少し仕事をしてきただけですよ」

「仕事?こんな時間に?」

「勤務時間は職にもよりますが、僕は探偵ですから。
 依頼内容によって動く時間は変わります」

「安室さん探偵やってるの!?」

「ええ」


そうして話を聞けば、なんとあの名高い名探偵、毛利小五郎の元で修業をしながら、
近くの喫茶店でアルバイトもしているという。
自身特製のハムサンドが人気だというから、退院したら連れて行ってとお願いをした。
もちろんいいよ。と返事をもらった私は、
そうだと気になっている探偵の名前を出そうとしたけれど、睡魔が酷くベッドに横になる。


「疲れたんでしょう。ゆっくり休んだほうがいい」

「……ねえ安室さん、また明日も、来てくれる?」

「はい。約束します」

「うん……待って、る……」


さっきまでぐっすり眠っていたというのに、不思議なほどに眠い。
やっぱり疲れているのだろうかと、安室さんが布団を首元までかけてくれているのを感じながら、
微睡の中へと意識を沈めていった。

おやすみと、安室さんが頭を撫でてくれている感覚に、何故か懐かしさを感じて。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作成日時:2018年4月10日 0時

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