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宝*04 ページ4

【夜には戻ります。 安室】


ひとりぼっちだと泣きながら抱き着いた私を、アムロさんは優しく抱きしめ返してくれて、
その温かさに安心を覚えた私はいつのまにか眠っていて、目が覚めると、
サイドテーブルにそんなメモを一枚残し、アムロさんはどこかへと出かけているようだった。


「アムロ……って、こう書くんだ」

彼が閉めていってくれたのか、カーテンはきっちりと閉まっていて、
部屋の明かりはオレンジ色のランプが柔らかく灯っているだけだった。
ベッドに付けられているデジタル時計の示す時間は21時03分。


「……もう夜だよ、安室さん。
 いつ戻ってくるの……」

眠る前より大分軽くなったように感じる体を起こし、
窓際へと寄りカーテンの隙間から外の様子を見る。
けれど見えるのは中庭らしき場所で、面白みもなにもない。
すぐに閉めてベッドへと戻ると、丁度扉が開いて彼が返ってきた。


「安室さん!」

「おや。起きていましたか。
 元気になったのはいいことですが、ここは病院なので」

口元に人差し指を立て、シーッ、のポーズをとる安室さん。
その仕草にドキリとしながら小さく謝れば、「本当は明日にと思ったんですが」と、
なにやら持っていた袋をガサゴソと漁りはじめる。
首を傾げていれば、彼は私の大好きなものをそこから取り出した。

「まろやかプリン……!」

「おや、もしかして好きでしたか?」

「すごく好き!」

「それは良かった」


コンビニで売られている、とても美味しいネイトーのまろやかプリン。
ひとつ108円という値段で小さめだけれど、この味ならむしろアリで、私はこのプリンが大好物だ。
もちろん彼がそのことを知っているわけもないので偶然だろうけれど、
彼が私のためにそのプリンを買ってきてくれたことはとても嬉しかった。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作成日時:2018年4月10日 0時

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