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宝*23 ページ23

全員食べ終わり、各々ドリンクを飲んでいるけれど、依頼人らしき人は来ないまま。
スゴーっと音を立ててオレンジジュースを飲み干したコナン君は、
不思議そうに「来ないね……依頼してきた人」と呟いた。


「もしかしたらこの近辺に、コロンボという店が他にもあるとか?」

安室さんが聞いても、毛利名探偵は「ねえよ」と返すだけ。
先程から携帯電話を弄っているけれど、連絡もないのだろうか。


「ん……?昨夜きた依頼人のメールとさっきのメール、アドレスが違うな……」

そう呟いた毛利名探偵に、コナン君、蘭さん、そして安室さんも反応する。
だからなんだと首を傾げるだけの私とは違って、
蘭さんやコナン君も、こういったことには慣れているようだった。


「だったらOKの返事に気付かずに待ってるかもね。
 最初の約束通り、探偵事務所で」

コナン君がそう言い、結局、もう一度毛利探偵事務所へと向かうことになった。





毛利探偵事務所に着いたころにはもう空も赤くなり始めていて、
事務所の扉を開けても、誰も待ってはいなかった。


なんだ。とふと目線を下げると、こちらを覗く誰かが階段の下から見える。
安室さんも中に入ってしまっていたことと、別に階段の下だからという理由で、
誰に言うわけでもなく階段を降りて、覗いていたのであろう人物に声をかけた。


「あの、もしかして毛利小五郎さんに……」


依頼した人ですか。
そう言おうとした唇は、その人の姿をきちんと見たことで紡げなくなってしまった。

黒いスーツと、白い肌。
緩くパーマのかかった黒い髪。
鋭い目を隠すかのようにかけられた眼鏡。


「謙三さんと、一緒にいた…………」

そう。
昼間病院に謙三さんが迎えに来てくれた際、彼の傘を持っていた人だ。


「初めまして、A様。
 先程はご挨拶もせずに失礼致しました」


その人は深々と頭を下げると、ユサ、と名乗った。
謙三さんに使える者だとも。


「我が主、上杉謙三様の命により、上杉A様。
 貴方様をお迎えにあがりました次第です」

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作成日時:2018年4月10日 0時

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