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宝*22 ページ22

毛利名探偵の言った兄妹みたいだという言葉にピクリと指先を動かした安室さん。
私は兄妹はいないからわからなかったけれど、
なるほどこれが兄妹というものかと納得し、頷いた。


「……いいですね。彼女と兄妹なんて、幸せです。
 こんなに可愛い妹がいたら、毎日可愛がり倒しますよ」


「残念ながら妹はいませんけど」と私の頭をふわりと撫でた彼は、何故だか少し寂しそうだ。
それが、私がそれに肯定の意を示さなかったからだと思った私はにっこりと笑う。

「私も、安室さんみたいなお兄ちゃんなら嬉しい!」

「それは光栄です」


寂しそうな瞳が驚きに変わり、次の瞬間には嬉しそうだった。
ふたりで笑い合っていると丁度注文したものが届き、
安室さんは「そういえば」と毛利名探偵に向く。


「依頼内容ってなんですか?」

そういえばすっかり忘れていたけれど、彼も探偵だった。
それも毛利名探偵に弟子入りするほどの人物で、これも授業で来ているのだったと思い出し、
私はひとり、店長オススメのスパゲッティをフォークに巻いて口に運ぶ。

コナン君はチキンライス。蘭さんはクリームパスタ。
毛利名探偵はピラフを食べていて、4人でその依頼内容について話しているけれど、
まったくの無関係かつ、今までそう言った世界とは無縁に生きてきた私としては、
話に加わることができない。




「……あ、Aお姉さん、ほっぺにミートソースついてるよ」

「え、嘘!」


ぼうっと食べていたからだろうか。
慌てて頬を触るけれど、イマイチどこについているのかわからない。
蘭さんが「広がっちゃうよ」とタオルを持ち立ち上がりかけると、
隣で毛利名探偵と話をしていたはずの安室さんの指が私の頬にそっと触れた。


「ぼうっと食べているからですよ。
 話はもう終わりました。ひとりにしてすみません」

「うん……ありがと」


指で拭ったそのミートソースをペロリと舐めた安室さんに少しだけドキッとして、
お礼だけを告げると視線をお皿へと戻し、残りのスパゲッティをフォークに巻いた。

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設定タグ:名探偵コナン , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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作者名: | 作成日時:2018年4月10日 0時

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