胸、出てきました。8【H S J】 (ページ18)

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涼介side

それから月日が経ち、伊野ちゃんは妊娠四ヶ月となった頃

俺のスマホに一本の連絡が来た。それも病院から

『あの、知念侑李さんの旦那様でございますか？』

涼「…え、あ…はい…。病院って…なんで侑李が…」

『先程腹部に刃物が刺さったと、搬送されて来ました。今すぐ来れますか？』

涼「…へ…？」

刃物…？刺さった…？

確かに侑李は一人で出かけてくるとか言ってた

…まさか………また…通り魔………

大「おい、山田？スマホ落ちたぞ？」

涼「…だいちゃ…」

嫌な予感と、不安と、恐怖で俺は目から涙が溢れていた

大ちゃんに続きみんなが心配してこっちに集まってきた

言わなきゃ…病院いかなきゃ…

涼「侑李が…病院に搬送された…。腹に刃物が刺さったって…」

「は……！？」

薮「ちょっ、髙木車出してくれ。行くぞ病院」

雄「おう。山田、不安なのも分かるけどとりあえず行こう」

涼「…うん…ごめん…」

みんなは冷静だった。俺の震える手を握って大ちゃんは車へ連れてってくれた

念のために伊野ちゃんとひかは子守と留守番

裕「…刺されたって事…なの…」

大「分かんね…。前の伊野ちゃんみたいに…通り魔…とか…」

圭「やだよ…ちぃちゃん…」

雄「…大丈夫だよ。知念ならきっと…」

薮「…山田、ちゃんと頭動かせよ。ボーッとしてたら知念が不安だろ」

薮ちゃんにそう言われて、俺は頭を働かせた

俺が今できることは無事を祈ることくらい

侑李、俺を一人にするな………

そう願いながらも病院に着くと、すぐ事情を教えてもらった

「やはり何者かに刺されています。今警察が調べていますので」

涼「…はい…」

「あとこれは知念さんの持ち物です。皆様はこちらでお待ちください」

侑李のいつも使ってるカバンを持って、手術中というランプの前で待っていた

お願い…神様、侑李を助けて…

そう願いながら、俺は無意識に侑李のカバンの中を開けていた

スマホと財布とハンカチと…………

ん……？これって………

涼「……母子手帳……」