私達は幼馴染 ページ39
gr「…ふはっ、ふふっ、なに言ってるんだ。Aが病気」
『本当だよ。』
グルちゃんの目は微かに揺れ、不安の色をみせた。
そりゃそうか。長年バカみたいに元気だった幼馴染が病気なんて、どこの小説だっつうの。
『…信じてない…よね。』
gr「当たり前だろ。そんなのドッキリに過ぎないのだろう？」
グルちゃん、声震えてるよ。嘘吐くの下手になったんじゃない？
gr「…嘘やって言ってくれや、なぁ、A！！！」
握られる手も震えてる。大きくて、長くて綺麗な手が私のことを考えて震えてる。グルちゃん、私はそれだけで十分だよ。
『グルちゃん、誕生日覚えててくれてありがと。さすがだね！自分を見失わず、前を向いて背筋を伸ばして歩くグルちゃんが大好きだよ。私なんかをこの世界に引っ張り出してくれてありがとう。幼馴染になってくれてありがとう。幼馴染がグルちゃんでよかった。グルちゃんは？私が幼馴染でよかった？』
手を両手で包み込んであげれば温かくなる。次第にその手がぽたぽたと斑点を描き出した。
gr「っふざけるな！どこの医者や！？なんかの間違いや、そんな医者俺が――」
『やめてグルちゃん、私のために泣かないでよぉ。とってもいい腕のお医者さんなの。間違いないわ。』
それでも、これでもかと溢れ出てくる涙。拭ってあげてもポロポロ止まる気配はない。
gr「金ならいくらでも出す。治るんやったら俺が、俺がお前の世話だってする。せやから」
『…難病なんだって。数億人に一人単位の病気、笑っちゃうでしょ？その運違うところで活かせって。ふふっ。』
そんな顔しないでよ。私まで泣いちゃうじゃない。お別れは笑って。それがいいでしょ？
『ほらほら、もう泣きなさんな。いい年したおっさんがずびずび泣いてる。ふふっ。』
gr「一緒に年取るって、っ、こんな形で最期はっ、」
ごめんね、本当に我儘で馬鹿でアホでどうしようもなくて、寝起きが悪くて口が悪くて取り柄のない私で、ごめんね。おかしいな、自分の悪いところはたくさん出てくるのにグルちゃんのは一つも出てこないや。口が悪いのも私を笑わせるためで、その大きくて長い手も私を撫でるためで、その腕は私をベッドまで運んでくれるためで、その頭は私のために考えてくれるため。嬉しいなぁ。
『グルちゃん、さっきの返事聞かせてよ。私が、幼馴染でっ、よかった？』
ぐしゃぐしゃなグルちゃんの顔、見てたらこっちまでもらい泣きしちゃった。
gr「当たり前や、大好きやでA。」
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ゆい - この、物語をつくっていただき、ありがとうございます。この一言に尽きます。 (2020年7月27日 22時) (
レス) id: 63830571c3 (このIDを非表示/違反報告)
や〜神(プロフ) - まじで泣いた。素敵な作品ありがとうごさいました。 (2019年5月13日 12時) (レス) id: 73f7a8851f (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます！！感想を頂いて、久しぶりにこちらも見返して、時が経つのは早いなと実感しました…。連載中の物もありますのでよろしければそちらもどうぞ！！ (2018年12月23日 19時) (レス) id: 6df2bbbd20 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 作者さん何でこんなに泣かしてくれるんですか本当に感動しました。ありがとうございます (2018年12月23日 13時) (レス) id: 41f91518d5 (このIDを非表示/違反報告)
猫うどん(プロフ) - 眠猫さん» ありがとうございます！！もちろんです！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: b69debf442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 | 作成日時：2018年4月30日 16時
