赤ずきんと真実 ページ38
『よっ、グルちゃん。』
探し求めていた人物を見つけ、元気よく右手を上げる。まぁ彼は「げっ。」って顔してるけど気にしないであげるよ。
gr「めんどくさい。」
『まだ何も言ってない！！』
gr「まだってことは何か言おうとしたんだろ。」
『大当たり。さすがグルちゃん。』
やはり自慢の幼馴染は違うなぁ。頷けばさらに顔を歪めた。
gr「どうした？何か食べたか？」
『失礼ね。…お話しようよ。』
gr「今か？」
『今よ。』
今じゃなきゃ駄目かな。
kn「えっ、え、ええ」
『おじゃましてまーす！！』
gr「チっ。」
王様の部屋。いや〜相変わらずでかいですなぁ。
『久しぶりですね。』
kn「まぁ、はい。」
『てなわけで、話しましょうよ。』
そんなこんなで久しぶりに集まった私たち。盛り上がりそうだ。
gr「すまん、お花を摘みに行ってくる。」
『トイレね、はいはい。』
この王様、だいぶ酔ってきたかな、顔赤くなってきたし。でもまぁその方が言いやすいかな。
『…コネシマさん。』
kn「どないした？」
『――――――、―――――――。』
kn「え」
『おかえり〜〜。』
gr「…何かあったか？」
『酔ってるんじゃない？あれ、もうこんな時間か。』
kn「泊まっていきや。」
『…残念だけど、待ってる人が居るから。』
敬語じゃない、違和感のある会話。グルちゃんはきっと気付いている。けど何も言わない。
kn「でも」
『ごめんね、シッマ。』
大きく顔が歪んだ。彼は今にでも壊れそうでものすごく儚い。
kn「…。」
『…帰ろうか、グルちゃん。』
私に差し伸べられたと思われる手。けれどゆっくりと水色の彼のもとに戻っていった。
gr「Aを送っていくから。失礼しました王様、今夜はゆっくりとおやすみなさい。」
綺麗にお辞儀をして私の腕をつかんだグルちゃん。
『…さようなら、ありがとうシッマ。』
kn「Aっ、」
『じゃっ。』
目の前で、扉が閉まった。
『よかったのかなぁ。』
gr「…何がだ？」
『気付いてるんでしょ？』
だから黙っててくれた。気を利かせてトイレにも行ってくれた。すごいね。やっぱりグルちゃんはグルちゃんだ。
私とは違う。
gr「狼…か？」
『―――さすがグルちゃん。すごいね。』
gr「当たり前だろ。何年一緒にいると思ってるんだ。」
『…何年だっけ。』
gr「忘れたのか？俺らは」
『グルちゃん、』
夜風が私達の髪を揺らし、月がグルちゃんの背中を照らす。
『グルちゃん、私ね、』
赤ずきんは
『病気、なんだ。』
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ゆい - この、物語をつくっていただき、ありがとうございます。この一言に尽きます。 (2020年7月27日 22時) (
レス) id: 63830571c3 (このIDを非表示/違反報告)
や〜神(プロフ) - まじで泣いた。素敵な作品ありがとうごさいました。 (2019年5月13日 12時) (レス) id: 73f7a8851f (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます！！感想を頂いて、久しぶりにこちらも見返して、時が経つのは早いなと実感しました…。連載中の物もありますのでよろしければそちらもどうぞ！！ (2018年12月23日 19時) (レス) id: 6df2bbbd20 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 作者さん何でこんなに泣かしてくれるんですか本当に感動しました。ありがとうございます (2018年12月23日 13時) (レス) id: 41f91518d5 (このIDを非表示/違反報告)
猫うどん(プロフ) - 眠猫さん» ありがとうございます！！もちろんです！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: b69debf442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 | 作成日時：2018年4月30日 16時
