暑い ページ26
気分は最悪だ。本格的に夏になってきた。暑さと蝉の声でやる気をなくす。グルちゃんとの一件から一週間もたたないうちに世間は夏ムード。春生まれなんだから暑さには弱いの。
zm「かまってぇやぁ。」
ソファで落ちるスレスレで転がっているゾムさん。
『…暑くないですか？』
zm「んなもん今更やろ？」
野生人は違う。はぁー、三日連続でそうめんでもいいかな。許されそう。暑いんだもん。
『あつい。』
zm「…俺、夏嫌いかもしれへん。」
『どうしました？』
急にカミングアウトされても、ゾムさんは夏っぽいのに。
zm「Aとべたべた出来ひんからなぁ。」
『・・・』
引いてしまった。鳥肌立っちまった。
『…買い物いってきまーす。』
zm「えっ、ええ、えっ？」
困惑の声など、蝉の鳴き声でかき消されてしまった。
os「久しぶり。」
『・・・』
驚きのあまり、手に取ったトマトを落としそうになった。夏私用に変わったオスマンさんの服は、綺麗な鎖骨が露わになるほどシャツのボタンが空いている。暑い。
『涼しそうな格好ですね。よく似合ってます。』
os「Aも髪を結って涼しげですよ。綺麗です。」
そういえばグルちゃんに綺麗になった、って言われたんだった。今週から6月後半に入ったカレンダー。明日から長い雨が続くとテレビの天気予報は言っていた。
『…ありがとうございます。』
白い大きなつばのある帽子を深く下げる。黒いワンピースに包まれた今の私は、帽子の色を変えれば魔女に見えそう。なんて。
os「…今日は魔女みたいですね。」
ほら。
『私も思ってました。』
os「魔法かけてくださるんですか？」
綺麗に笑う彼は、やはり私には合わないと思う。もっと繊細で、それこそ本物の魔女みたいな、
os「A？」
『あっ、アブラカタブラ』
os「無理に乗らなくても結構ですよ。」
くすくすと笑われてしまった。そんなに面白いかな。
『それにしても、暑いですね。』
この数分の会話でも汗が滲み出てきそう。ま、涼しい顔をしてるオスマンさんにはわからないかな。
os「ですね。…、そこのカフェで冷たいものでも食べませんか？」
『あっ、食材を買う分だけしか持ってなくて、』
os「ここは私が払いますよ。どうですか？」
うーん。冷たいもの、食べたい。でも私だけというのもなんだか…。
『急いでるので、またの機会に。』
os「それは残念です。けれど、せめて話だけでもしませんか。」
見開いた目。真剣なまなざし。頷かずにはいられない。
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ゆい - この、物語をつくっていただき、ありがとうございます。この一言に尽きます。 (2020年7月27日 22時) (
レス) id: 63830571c3 (このIDを非表示/違反報告)
や〜神(プロフ) - まじで泣いた。素敵な作品ありがとうごさいました。 (2019年5月13日 12時) (レス) id: 73f7a8851f (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます！！感想を頂いて、久しぶりにこちらも見返して、時が経つのは早いなと実感しました…。連載中の物もありますのでよろしければそちらもどうぞ！！ (2018年12月23日 19時) (レス) id: 6df2bbbd20 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 作者さん何でこんなに泣かしてくれるんですか本当に感動しました。ありがとうございます (2018年12月23日 13時) (レス) id: 41f91518d5 (このIDを非表示/違反報告)
猫うどん(プロフ) - 眠猫さん» ありがとうございます！！もちろんです！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: b69debf442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 | 作成日時：2018年4月30日 16時
