幼馴染 ページ3
とある日の昼下がり。
カレンダーに赤い丸で囲まれている今日。誰も祝ってくれないと分かっているからただ老けていくという嫌な日に変わる私の誕生日。憂鬱だ。オバサンにはなりたくない。
コンコン
静かな部屋に響くドアをたたく音。期待はしていないけれど―――
『はい！！…ってグルちゃん！？』
gr「何幼馴染に驚いてるんや、それと、誕生日おめでとう。」
ドアを開けたら大きい花束を差し出してきた大事な幼馴染。
『…どうしたの？この花束…。』
gr「大事な大事な幼馴染に言葉だけやったらあかんやろ？(棒)」
『グルちゃん心籠って無いなぁ〜〜w』
そう言いながらもきっと私の頬は緩みまくっているのだろう。
『…綺麗。』
gr「さすが花屋やな。」
『町の花屋さん？お礼言わなきゃ。』
gr「やめとけやめとけ、あいつ調子乗る。」
そういえばグルちゃんと花屋さんは知り合いだったな…。どんな人なんだろう。気になる。今度寄ろうかな。
『わざわざありがとうね。遠かったでしょ？』
彼は幹部というお偉いさんだ。忙しい彼がわざわざこんな町外れまで来てくれたことへの喜び、嬉しさを隠すことができない。
gr「一人でオバサンになっていくの嫌やろ？」
『グルちゃんは立派なオジサンになりそう。』
こうやって何気ない彼との会話が嬉しくてたまらない。もっと話していたいけど急いでいるときに腕時計を見る癖は昔から変わっていない。
『急いでるのよね。わざわざありがとう。たまにはこっちにも来てね。』
彼は驚いているけれど何年居たと思っているのか。
gr「そうか…10年以上も居るのか…そうかそうか…。」
『ねっ。長いなぁ〜〜。』
gr「お前が死ぬ姿も見届けたるわ。」
妖しく笑う彼。どうやら彼は死ぬまで私と幼馴染で居てくれるらしい。
いつの間にか見上げるほうになっていた。届かない頭。あっという間に包まれてしまう大きな手。
『…大きくなったね。』
gr「Aとは違って成長期来たからな。」
『ぶっ叩くわよ！！』
確かに私は成長期来なかったけれど…身長は150前半で止まり、普段は少し高めの靴で盛ってる。
けれど何か違うのだ。彼は精神的に、体格的に、大人になった。昔と変わらない。一歩先を歩く彼。
『…追いつけるかな。』
gr「お前はちっこいほうが見つけやすいわ。」
『ほんっと、一言余計だな〜。』
そのままでいい。遠回しに伝わる彼の想いはしっかりと私の胸に刻まれたよ。
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ゆい - この、物語をつくっていただき、ありがとうございます。この一言に尽きます。 (2020年7月27日 22時) (
レス) id: 63830571c3 (このIDを非表示/違反報告)
や〜神(プロフ) - まじで泣いた。素敵な作品ありがとうごさいました。 (2019年5月13日 12時) (レス) id: 73f7a8851f (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - ミントさん» ありがとうございます！！感想を頂いて、久しぶりにこちらも見返して、時が経つのは早いなと実感しました…。連載中の物もありますのでよろしければそちらもどうぞ！！ (2018年12月23日 19時) (レス) id: 6df2bbbd20 (このIDを非表示/違反報告)
ミント - 作者さん何でこんなに泣かしてくれるんですか本当に感動しました。ありがとうございます (2018年12月23日 13時) (レス) id: 41f91518d5 (このIDを非表示/違反報告)
猫うどん(プロフ) - 眠猫さん» ありがとうございます！！もちろんです！ (2018年9月7日 22時) (レス) id: b69debf442 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 | 作成日時：2018年4月30日 16時
