ようこそ、不思議の国へ ページ2
『ま、まさかここに飛び込むの？』
「もちろん」
淡いサイダー色をした彼に抱きかかえられ、木の裏側へ連れていかれる。おかしい。さっきまで確かになかったはずなのに、木の根っこに大きな穴が開いている。
『お、おねがい、離して、』
「さぁアリス、」
下から風が吹いている。穴が開いている証拠。
・
・
「ワンダーランドへ！」
・
そもそもアリスって、誰のことだ。
・
・
・
肌に触れている部分が冷たい。温かい何かに頬を撫でられ、身をよじる。導かれるように瞼を上げて、ぼやける視界をはっきりさせていく。
「お寝坊さん」
『………どちらさまですか』
紫の半ヘルを被った人が気怠そうに私を見ている。よくみればそのヘルメット、猫耳だ。可愛い。
「…覚えてないんやったっけ、アリス」
『えっと、なんか言いました？』
「なんもないっすわ。それより、なんでここに？」
『あっ！あの白ウサギ！！！』
起き上がり、辺りを確認するが白ウサギの姿はない。と、いうか。目に入るものすべてが不思議なのだ。私よりも大きいキノコ。私よりも小さい木。かと思えば空を覆い隠してしまうほど大きな木もある。
『とりあえず、ここはどこですか？』
「ここは、不思議の国」
『不思議の、国』
目の前に差し伸べられた手。
「俺はチェシャ猫をやってるショッピです」
気だるげな瞳が、一瞬輝く。日差しが入らないこことは不釣り合いな、宝石みたいな。いや、それよりももっと価値のある紫色。
「おかえり、アリス」
・
輝きを放つだけの宝石よりも、甘くて可愛い金平糖の方が君にはぴったりだ。
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@眠猫。(プロフ) - 戯於さん» 私には勿体ないお言葉ばかりで…。ありがとうございます！ 目まぐるしく変わっていく展開ですが、隅々まで読んでいただき光栄です。少しでも長く、貴方の中にこの作品が残りますように！ (2022年8月7日 18時) (
レス) @page48 id: 91126b09d4 (このIDを非表示/違反報告)
戯於 - わぁあ…文に才能がありすぎます、ガチめに泣きました…。世界線の変え方とかhappy endじゃなかったときの絶望感とかの書き方が…もう…めっちゃ凄いです。ラストが凄い好きでした。多分一番好き。もう…最高の物語をありがとうございます…！ (2022年8月7日 10時) (レス) @page47 id: 197ff74d89 (このIDを非表示/違反報告)
@眠猫。(プロフ) - チーズ.さん» ありがとうございます！私には勿体ない言葉です…。展開を意識しすぎて文章はお粗末になってしまったかもしれませんが、大変嬉しいです。ありがとうございます！！ (2021年8月17日 22時) (レス) id: f602ea559e (このIDを非表示/違反報告)
チーズ.(プロフ) - 普通にこういう方達やなくても色んなジャンルの小説書いて欲しいレベルで凄いですね！！まさかこうなるのかと圧倒されました！いやぁ、凄ぇ…… (2021年8月16日 7時) (レス) id: 994e308db6 (このIDを非表示/違反報告)
@眠猫。(プロフ) - パソコンの精さん» ありがとうございます！いいえ！とっても伝わりましたっ！！原作の方もとってもかけがえのない、大切な物語です。私の心の中にもいつもあります。それをパソコンの精さんにも知っていただきとても嬉しいです！新作の方もよろしくお願いします！！ (2021年8月12日 22時) (レス) id: f602ea559e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@眠猫。 | 作成日時：2021年5月3日 18時
