アーカイバー 〜異世界の神さまと人間の昔話〜 【オリジナル】

１１　クラスメイトの詮索 ページ11

困ったこと……？

そもそもこの状態が異常すぎるだろ……！

と。

その時。

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

「えっ！？」

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

だ、誰だろ…？

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟ

「うるさーいっっっっ！！！！！」

がばっ、とドアを開くと。

「おい。元気そうじゃねえか」

は……。

誰だよっ！？コイツ！？

もしかして……

白神 保のクラスメイト！？

ヤバいのでは、この状況…！

「なんだよ、オレのこと忘れたのか？なったく、どうしようもない奴だな」

いや、忘れたのではなく、別人、つまり赤の他人だもん。

なんて言ったら、自爆行為。

ここはどっちにも取れる言い方をしとこうかな。

「あの、あああああっ！お前ね、うんうんだか」「あー。悪いけどお引き取り願いますー」

『だから』の『ら』を言う前に、割り込まれた。

驚いて、隣を見ると。

「はぁ？誰だよ、てめぇ」

目の前にいたクラスメイト(？)が怪訝そうな目で見る。

「悪いね。コイツは今、交通事故で記憶喪失なんだよ。お引き取り願う」

とんでもなく挑戦的な視線を感じたなと思ったら……漣だ。

「意っ味わかんねぇ。だいたいてめぇナニモンだ。オレの知る限り、保の野郎にこんな知り合いはいねぇ」

あれっ。これは、ケンカが起こる雰囲気……。

どうしようっ。

「知り合い？そんな曖昧な関係じゃないね。保は僕の遠縁にあたる」

ん……と。

これは『入れ替わり』がバレないように、嘘をついている、ということかな……？

「はぁ！？そんな話、古今東西聞いたことねぇ！！」

だんだんヒートアップしていく二人。

……そろそろヤバいんじゃ…。

こんな所で取っ組み合いのケンカなんかになったら、大変だ……！

「ふ、二人とも！ちょっと落ち着いて！！ぼくから話すから！！！」

思い切って、にらみ合っている二人の間に割り込む。

「「なんだよ？」」

う……。

こええええええ……。

「あの、ホントにこの人の言っている通りなんだ！事故のアレで記憶を失って…」

ココはいっそのこと、記憶喪失のフリをするのが無難かもしれない。

そう考えて、漣のやり方にのることにした。

「はぁん……。本人がそういうなら認めてやるよ」

「『認めてやる』ってなんだ！『やる』ってっ！！」

あー。はいはい。

そこまで！

「ところで。そんな訳でぼくはきみのことを覚えてないんだ。自己紹介？してくれる？」

「……わかったぜ」

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