その娘、怪盗につき。

泥棒は夢を見るか。3 ページ6

「って訳なの、どうよ？」



机の上に紙束をばらまいてソファに立つルパン。
紙束にはそれぞれ建物の地図や何枚かの絵画、画家が描かれていた。その中の一つには峰不二子も。



「へえ、”夢”を観る展覧会ね…随分とまぁシャレてるじゃねえか」



「そう！そして俺様達が盗むのもそのうちの一つ！」



「絵画を前にして寝ると自分の見たい夢が見られるという代物…酔狂な」



「オシャレでしょー？なんたって今回の目玉だぜ！」



「ところでこの不二子さんの写真はなんの意味があったの？」



ルパン三世直作の紙芝居の1枚をしげしげと眺めながら目を丸くしているA。作戦会議に使われなかった上に、今回不二子は無関係ということでここに混ざる意味もなさそうだった。



「あーそれね！それで不二子ちゃんの魅力をみっちり説明しようと思ってたんだけっども次元がいらねーっ！って言うもんだから渋々外したの…」



「全くもっていらねーだろ」



「まぁ、この際Aちゃんでもよかったりしたりしなかったり？グフフフフ…」



「バカやってる場合か」



怪しい手の動きでまたもやAに飛びかかってきたルパンを次元がフライパンで阻止。「なんでそんなの持ってるの…」と嘆きながらフライパンに突っ込んだルパンは床に落ちた。五ェ門は相変わらず真顔のまま。いつもの事だ。




「じゃあ１週間後に決行だかんな！」



あざだらけのルパンが声を上げる。
ものによっては家庭内暴力に属するのでは、と疑問に思うA。今回の作戦に不二子は本当に関係ないのか気になっている心配性の次元。次元は最近Aに対して過保護過ぎではないか、と自覚のない五ェ門。
三者三様の思いを胸に、部屋を後にした。

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