その娘、怪盗につき。

泥棒は夢を見るか。 ページ4

清々しい、外の空気。小鳥の囀りと柔らかな陽射しで目が醒めた。随分とよく寝た気がするが、昨日は次元とハードなドライブをした後から記憶が無い。気付いたらベッドの上だ。寝過ぎて身体が痛い。



それにしても理想の朝というに相応しく、柔らかで清潔感のあるベッドは快適な眠りをサポートしてくれたし、この部屋も静かで寝るには最適だ。室温はちょうど良いので使う必要はないが暖炉も完備されている。後は簡易的ではあるが家具としてそれなりに価値があるであろうソファとテーブル。窓には侍がいて…




────侍？




彼女は本来いるはずの無い人物が自分の部屋にいることに気付いた。



「五ェ門？」



「もう昼でござる」



おはよう、と言おうとした矢先だったので出鼻をくじかれた感は否めないがそれよりも何故彼が窓枠に座っている状態なのかが気になる。



「なんでそんなとこにいるの？」



「隣がうるさくてな…」



「なるほど、それで私の部屋に避難してきたんだ」



「うむ、それとお主を起こすようにと言われておったが…」



そこから先は口に出さなかったが察するにあまりにもよく寝ていたから起こすのが申し訳なくなった、らしい。
律儀な男だ。と彼女が思ったかどうかはさておき、確かに隣の部屋から何か物音が聞こえる。おぼつかない足取りで音の正体を確かめようとドアの方へと向かった。



「何してるんだろう」


五ェ門がこちらにいるということは隣の部屋にいるのはルパンと次元だ。大方またチャンネル争いでもしているのではなかろうか。そう思ってドアノブに手をかけた。

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