その娘、怪盗につき。

復讐には復讐を。7 ページ23

何もかも終わって、外に出た頃には辺りはもう薄暗くなっていた。
教会の近くに停めてある車の後部座席のドアを開けると、彼はAを中に入れた。そうして、自分も隣に座った。



「目立った怪我は…ねえな」



顔についた土を拭われてながら頷いた。
何かを伝えようとしたが、まだ口に縄を咥えたままだ。
服もギリギリ形を保っているようなもので、タイツも所々穴があいている。



「何かされたか？」



彼女はすぐに首を横に振った。
抵抗した時に服を破られてしまったり、擦り傷ができてしまったくらいでそれ以外に思い当たる節はない。



「俺を助けようなんて思うなって、昔言ったはずだ」



リクライニングが乱暴に倒されて広くなった後部座席。
意図せずリクライニングと一緒に倒れてしまった彼女の上に乗り、見下ろす次元。




「それとも罠だとわかってアイツのところに行ったのか？」



Aは彼の言っている事の意味がわからなかったが、
声に怒りが混じっているのを感じ取った。





「何をされたかったんだ？」





次元が放った言葉に反応するのに時間がかかった。
反応する前に、彼は次の動作に移っていた。

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