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微睡みと遠雷。3 ページ12

そのあと何事もなく朝食を食べ終わって片付けを終わらせると、今度はAがソファでテレビを見ている次元の後ろに立った。



「また考え事?」



「別に、なんでもねえ」



彼はテレビから目を逸らさない。
ワイドショーはくだらない芸能人のスキャンダルから天気予報に移行しかけていた。この時間はいつもそうだ。何日かはずっと同じことばかり繰り返し繰り返し繰り返し…。



「ねえってば」



次元の帽子を後ろから取り自分の頭にのせる。
前に回り込んで、わざと足の間に座る。



「わざわざ人に話すような事じゃないんでな」



「うそだ、聞いて欲しそうな顔してる」



「どんな顔だ、そっちからじゃ俺の顔見えてねえだろ」



「見なくてもわかるし」



「そうかい」



肩を引かれてそのまま後ろにもたれる形になった。
電波のせいか天候のせいか、たまにテレビの画面が乱れる。Aの頭に顎がのった。




「寝直したら?くまできてたよ?って重たー」



「だから見えねえだろうが」



「見なくてもわかるって言った」



「そうかい」



次元が横に倒れるのと同時にAも倒れる。
一緒に座って居るのだから彼女は巻き添えと言ってもいい。テレビの電源が切られた。



「じゃあ、寝る」



「ええー私も?」



「寝ろって言ったろ」



離す気は無いアピールなのか、わざわざ向きを変えられて頭を抱えられる形になった。彼女が被っていた帽子はソファから落ちて、パサという音を立てた。



「服シワシワになっちゃうよ」



「かまわねえさ、それよりそこで喋んなくすぐってえ」



彼の胸の辺りで話すと自分の声よりも心臓の鼓動がよく聞こえるような気がする。かまわないと言いつつ、黒いスーツはソファの背に掛けられている。



「次元ってたまにかまってちゃんだよね」



「お前が言うか、後喋るんじゃねえの」



「くるしっ!!ギブギブ息できないから!」



手をパタパタさせるA。
夜まではまだ長い。少し経つと部屋はしんとして、
余計な音は何一つのこらない。
聞こえるのは2つの寝息と、遠くで光る雷の音だけになった。

黒猫は半宵に鳴く。→←微睡みと遠雷。2



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設定タグ:ルパン三世 , 次元大介 , 次元   
作品ジャンル:アニメ
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おすし - Part3私も結構好きなんですよね。私は最近原作の絵が気に入ってます。脚短いの、分かります笑 アニメシリーズだととてつもない長さのありますからね笑 更新楽しみにしてます! (2020年3月8日 15時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)
くろまめ(プロフ) - おすしさん» コメントありがとうございます!あとがきのまえがきまで見てくださって....作者としても大変嬉しいです。やはりどのテレスペ、映画を見ても同じシリーズだと思えない程色々と差異がありますよね。私は最近カリオストロをみると「脚短いな〜」と思います(笑) (2020年3月7日 22時) (レス) id: ce0f0d03f0 (このIDを非表示/違反報告)
おすし - 長文お邪魔しましたm(_ _)m (2020年3月1日 18時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)
おすし - 楽しく読ませて頂いています。私も初めて観たのが『カリオストロの城』でしたね〜。その次に観たのが『隠された空中都市』で同じシリーズだという事に驚きました。次元大好きなので楽しく読ませて頂いています。あとがきのまえがきを更新と共に楽しみにしてます笑 (2020年3月1日 18時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろまめ | 作成日時:2019年12月31日 22時

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