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緑谷side
今日は轟くんの部屋で飯田くんと3人、勉強会をする事になった
…というのは僕の建前で、色々聞きたいのだ
色々、と言うが…翡翠さんの事だ
女優の｢翡翠葵｣を母に持ち、駆け出し俳優の｢水樹青凍｣を兄に持ち
そしてなんと、叔母に｢操水ヒーロースミレ｣を持つ
スミレと言えば、"個性"は操水。
ヒーローネームの由来は思い出の花、好きな食べ物は苺の乗ったパフェ
翡翠葵の年の離れた妹
本名は翡翠茜…って今はこんな事どうでもよくて！
とりあえず飯田くんと轟くんの部屋に行こう！
.
「緑谷くん！ガソリンが切れていたようだから忘れないうちに買っておきたいんだ！先に行ってもらっても構わないか？」
「それは大変！いいよ、先に行っとくね」
ガソリンと言うのはオレンジジュース
飯田くんはオレンジジュースを飲んでそれをガソリンにして走っている
色々話聞けるといいな
とウキウキした気持ちでエレベーターに乗る
轟くんの部屋に着くと少しドアが開いていた
本当こういう所不用心だよね
「とどろ…あれ？」
声をかけながらドアを開けようとした時、何か聞こえてきた
この声の感じは轟くんじゃない
透き通るような綺麗な声
女子…轟くんの部屋に来る女子と言えば？
…翡翠さんか
何話してるのかな…今入っちゃダメかな
.
「そして、私偽彼女だからね？！」
…偽彼女？
偽…
偽？
脳が｢偽｣という言葉を理解しようと必死に回り始める
「おう、分かってる」
続けて轟くんの声
…どういう事？
「クラスメイト騙せりゃ親父と婚約者なんてすぐ騙せると思ってな」
婚約者…？
轟くんの？
確かに轟くんの家じゃ有り得る話…なの、かな？
「だから普通のカップルみたいに接しようって」
いや？！普通のカップルでもあんな事しませんから！
「ていうか普通のカップルあんな事しないと思うよ」
だよね翡翠さんも同じ気持ちだよね
少し安心したよ
「それだけ、ごめんね、急に押しかけて」
あれ？待ってこれ部屋から出てくる？
ヤバい、どかなきゃ
え、でも退いてどうしよう？
隠れる？でもそんな場所ないし…
「痛っ！！」
ドアが僕の頭に激突した
「み、緑谷！？」
翡翠さんの焦った声が廊下に響いた
僕も焦って頭を地面に着くぐらい下げて謝る
轟くんの困った顔がちら、と見えた
「ちなみにいつから聞いてた？」
「偽彼女って辺りからです…」
「……マジか」
「本っ当にすいませんでしたっ！！」
これは本当に謝っても謝りきれない｡
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作者名：月亜 | 作成日時：2020年1月6日 16時
