君は彼氏だけど彼氏じゃない【轟焦凍】 (ページ43)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:108,228 hit

037 ページ43

受付の近くで缶ジュースを適当に2本買って少し待つ事5分

予想通り、姉がやってきた

「あれ？焦凍？こんな所で何してるの？」
「姉さんを待ってた」

そう言うと姉は驚きと疑問が入り交じったような表情をうかべた

「今、彼女と母さんが二人で話してる」
「彼女？あぁ…あの…風花ちゃん？だっけ？仲良くなったなら良か＿」
「違う。そいつよりもっと綺麗で可愛い奴」

キッパリそう言うと姉の目が見開かれた

「…焦凍」
「俺、親父の言いなりになんてならねぇし
大好きな彼女居るし…婚約は出来ねぇから」

しっかりと目を見て話す
どう反応していいのか分からないような姉の表情
そんな表情を見て、エレベーターの方に向いた

「…姉さんにも紹介する」

姉は黙って俺の後ろについてきた

.

見慣れた病室のドアを開ける

「あ、焦凍おかえり…って」
「あら、冬美」

Aと母が何やら楽しそうに話していた

「ん、お前ぶどうジュース好きだったよな」
「…ごめん、お金返すね」

｢要らねぇ｣と言ってから姉の方に向き直った

「紹介する。俺の彼女の翡翠A
将来の俺の嫁だから」
「よっ嫁！？」

Aの困惑した声
そんな声に笑いそうになりながら彼女の手を握る

「…俺はAと結婚する」

「…焦凍」

「分かってる。だけど俺はAの事しか考えられない
A以外と結婚なんて考えてねぇからな」

困惑した表情のAと母
難しそうな表情をした姉

しばらく重い沈黙が続く
姉も困っているのだろう

「…Aちゃん
私は焦凍の姉の冬美です。お姉ちゃんって呼んでいいよ！よろしくね」
「おっ…よ、よろしくお願いします！冬美さ…冬美お姉ちゃん？」
「きゃー！可愛い！妹ほしかったんだぁ！」

姉の圧に負けてかお姉ちゃん呼びをするAは可愛かったとだけ言っておく
ただ、俺は困惑していた

「…焦凍、そんな顔しないの
私は焦凍がしたい事を応援する
弟の為ならお父さんにだって歯向かってみせるよ」

姉は頼もしくそう笑った

「…っ！ありがとう、姉さん」
「…ありがとうございます！」

Aも気が付いたのだろう
姉に向かって少し頭を下げた

「どういたしまして！あ、お母さん！洗濯物ちょうだい！」
「え？あぁ…そこに置いてあるわよ」

1人、まだ困惑した様子の母

「母さん、母さんにもいつか話すよ」

俺はそう言ってAの手を握った
Aの手を握ると、何だか安心するから。