君は彼氏だけど彼氏じゃない【轟焦凍】 (ページ20)

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「俺は認めてねぇっつってんだろ！！帰れ！」

「…怒りすぎてかっちゃんみたいになってる」
「それは私も思った…」

怒鳴り声の剣幕とか目付きとか…爆豪2号って感じ

「照れないでくださいよ焦凍さん」

一方水無月風花は焦凍に近づいて行く
そして、腕に触れた

「ひっ…」

また小さく悲鳴をあげた
どんだけ嫌いなんだ

「A…！」

余裕のなさそうな顔で私の方を向いた
これは助けなきゃ行けない…し、

それに、あの女に触れられる焦凍を見るのはなんだかイラつくし落ち着かない

「…焦凍から離れてくれませんか」

少し睨みながら、でも怒りは抑えつつ話しかけた

「は？誰よ貴方。私の焦凍さんよ」

「焦凍の気持ちは私にあります
そこだけは絶対に譲れません」

そう言って焦凍の腕を引っ張り私の方に体を持ってこさせた

「申し遅れましたけど、私は焦凍の彼女の翡翠Aです」

そう言って笑う
女の顔が醜く歪んだのがはっきり見えた

「翡翠…その顔…」

そして何やら呟き始めた

「焦凍さん、今すぐそいつから離れてください！
ソイツ、女優の翡翠葵の娘でしょ？！演技で焦凍さんのお金と家柄奪い取ろうとしてるんじゃないんですか？！」

何を言ってるの
私の事も焦凍の事も何も知らない癖に

「黙れ！Aの事悪く言うな！Aはそんな奴じゃねぇよ！」

焦凍が私の肩を抱いた
それでも驚きだったのにそれより驚いた事があった

「Aはそんな事しないよ！あんたこそ轟の家柄奪い取ろうとしてんじゃないの？！」

いつの間にか響香が女に食ってかかっていた

「はぁ？！関係ない人は退いてくれない？！」

「関係なくないよ！だってウチ、Aの友達だし！
友達の事そんな悪く言われて黙ってられるわけないでしょ！！」

「…Aさんは確かに翡翠葵さんの娘ですわ。ですがAさんは轟さんの家柄なんて気にしていないと思いますわ。Aさんは轟さんの事が大好きですもの」

百も、少し怖い顔で女に言った

「Aってば轟といる時顔赤いもんねぇ、あんなの演技じゃ出来ないよ」

三奈も真顔で言う

「…いいか、よく聞け

俺はA以外の女と付き合うとか結婚するとか触れるとか…そんな事考えられねぇから
分かったら出てけよ…もう顔も見たくねぇ」

ゾッとするほど怖い顔で焦凍は女を睨んだ

「…ッ！もう焦凍さんなんか知らないっ！」

女は何やら布を焦凍に投げつけ出てってしまった
先生もそれを追いかけて外に出た。