君は彼氏だけど彼氏じゃない【轟焦凍】 (ページ18)

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「翡翠…！疲れた…もうヤダ」

帰ってきて私の部屋に直行して来てこのザマだ

「轟が弱音吐くなんて珍しいじゃん」
「いや、本当にアイツ嫌いなタイプの女だ…解消も出来なかったし…」

私のベットに頭を預ける轟の顔は死んでいた

「ベタベタ触ってくるし｢焦凍さん｣って呼んでくるし」

そう力なく言う轟に私はイタズラしてやりたくなった

「へぇ？それが焦凍さんは嫌だったと」
「そうだ
だからさん付けやめろ」
轟の顔が真顔になった
「ごめんって轟」
さすがに危機感を感じて即座に謝るが轟の顔は変わらないままだった

「違う、轟じゃない｢焦凍｣がいい」

そう頬をふくらませた轟は可愛いと思ってしまった

「お前なら焦凍って呼ばれても嬉しい」

そう言って笑う
…ずるいなぁ

「……焦凍…？」

照れて少し小声になった

「何だ、A？」

ナチュラルに呼び捨てにされた
…イケメンに呼び捨てされるのって破壊力半端ないな

「そろそろご飯だよ」

照れ隠しをするようになんの脈絡もなく話し始める

「お、そうだな。じゃあ行くか」

轟…焦凍が立ち上がったのと一緒に私も立ち上がる

「Aは今日の晩飯何だと思う？」

「えぇ…今はカレーの気分。焦凍は？…まぁ聞かなくても分かるけど」

「何だと思う？」

「暖かくないそば」

「正解。さすがA」

"さすが"その言葉にまた頬が赤くなる

「そりゃそうだよ。私、焦凍の事ならいっぱい知ってるよ？」

全部、とは言えないけど
と、演技めかしてそう言うと焦凍が目を見開いて笑う

「そっか、そうだったな
俺の彼女なんだもんな」

そしてまた嬉しそうに笑う

つくづく思う

轟焦凍っていう人は、本当にずるい、イケメンな人だって