君は彼氏だけど彼氏じゃない【轟焦凍】 (ページ12)

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000＿Birthday＿ページ12

「翡翠！やべぇ！」

「何？うるさい、上鳴」

響香を引連れて私の元に走ってきた上鳴

「轟の誕生日、1月11日だとよ！」

「…マジ？」
「マジ」
「明後日じゃん」
「そうだよ」

そう、今日は1月9日
明後日になればもう轟は16歳なのだ

響香が上鳴の気持ちを代弁するべく「だから焦ってんの」と言った

「あー…なるほどね。てか上鳴はなんで知ってんの？」

「いや、前聞いたんだよね。「誕生日いつ？」って
で、明後日轟の誕生日じゃんって思い出した」
「思い出すの遅いな」
「思い出しただけ褒めて」

上鳴は急にくる、と後ろを振り返る

「で、今轟以外の奴らにその事伝えて回ってっから！
お前らも協力してくれ！じゃ、また後でな！」

そして颯爽と去っていった
何であんなに急いでるのかは謎だった

「…響香、どうする？」
「とりあえず砂藤のケーキ食べれたらウチはいい」
「…じゃあ砂藤に伝えいくか」

はぁ、とため息をついて歩き出そうとした時響香があ、と声を上げた

「…L○NE使えば1発じゃんか」

一瞬、二人の間に沈黙が流れた

「あのバカ(かみなり)はどうする？そのままにしとく？」
「そうだね、見かけたら伝えてあげよう」

私も携帯を取り出してメッセアプリを起動させた

「ていうか誕生日プレゼント買いに行く暇なくない？」
「でもプレゼント無しはさすがにダメでしょ」
「でもさ、ウチら土曜も授業あるんだよ？轟の誕生日土曜でしょ？明日も普通に授業あるしいつ買いに行けばいいと思う？」

響香の言葉に頭を抱える
ヒーロー科は多忙だ
それも承知の上入学したとは言えどキツい
友人の誕生日プレゼントを買いに行く暇もないなんて…
いや、そんなの言い訳でしかないんじゃないか？

「…響香、Plus ultraだよ」

「…？」

「私外出届け出してくる。明日買いに行く」

「は？！キツくない？」

「大丈夫だよ！寮生活になる前は出来てたんだよ！」

そう親指を立ててみると響香がうーん、と考えた

「…確かにそうかも。じゃあ女子全員で買い出し行こっか
男子に会場準備とか頼ませて」

そして優しく微笑んだ

「本当？！ありがとう響香！」
「まぁ轟の為でもあるしね」

抱きついた私に嫌な顔1つせず背中を撫でてくれる響香

「じゃあ皆にも伝えよっか」

「…うんっ！！」

今日、明日は大変な一日になりそうです