個性メドューサ少女Ⅱ【轟焦凍】 (ページ15)

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焦凍の過去ページ15

次の日は休校だったから僕は大人しく家に籠っていた
ずっとゲームしてる
コノネ、で
ていうか今何時何だろうなぁ

6時

夕方の？

6時

「流石にやり過ぎたかも」
コントローラーを置いて参考書を開く
開いただけ
やる気は無い

ピンポーン
呼び鈴が鳴ったけど父さんが出るだろう

「Aー！焦凍君が来てるよ？」
「はーい

え、焦凍？」

参考書を投げ捨てて慌てて玄関に向かう

そこには私服姿の焦凍が居た
僕バリバリ家着なんだけど

「どうしたの？」
「話してぇ…公園に行こう」
「え？良いけど」

青いジャージにカーキーのスボン
ジャージの下にはタンクトップ
女子力なんてない服だがまぁ良いだろう

サイダーを飲んだ公園のベンチで座る
「話って？」

「今日、お母さんに会ったんだ」

「母さん？何で……あっ」
確か焦凍のお母さんは長期入院中だと父さんから聞いた

「そう言えばお前には話してねぇな…

個性婚って知ってるか」

個性婚。それは2世代3世代で問題になった
自分の個性を強化する為に他の強個性の人と無理矢理結婚して強い個性を持った遺伝子を作る
そういうおぞましい風習だ

「俺は個性婚で産まれたんだ」
エンデさんの言っていた事から大体は察しが着いていたが本当にそうだったんだ
「俺の個性が発現してから父さんは母さんと俺に暴力を振るったりして行ったんだ。
訓練だと称してな
母さんは段々気に病み遂にはお前の左側が醜いと言って俺に煮え湯を浴びせた」

自分の左を抑えて哀しそうな表情を浮かべる焦凍
僕は堪らず焦凍の左手を握る
続けて、と言うと驚いた顔で口を開く

「それで母さんは入院させられたんだ。お母さんが病んだのは親父のせいだ
だから俺は親父を完全否定する為に右だけを使って1番になろうとしていたんだ」
「うん」
「だけど緑谷に変えられた。俺の力だって。俺は親父じゃねぇって。
それで考えたんだ
まだ清算出来てない物があるんじゃないかって
そこで思い付いたのがお母さんだったんだ
だから今日母さんに会ったんだ
怒られなかった
いっぱい話せた
不安に思ってた俺が馬鹿みたいに」
僕は優しく焦凍の火傷跡を撫でた

「焦凍な醜くなんて無いよ。お母さんも今の焦凍を見て逞しくなったな、って思ってるんじゃない？」
他人だから強くは言えないけど
と苦笑すれば肩に重みが乗っかった

「お前に話してよかった…ありがとな」
思えば焦凍は震えていた
「何かあったら話して良いよ」

「お前も話せよ？約束だ」

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