君は彼氏だけど彼氏じゃない続【轟焦凍】 (ページ4)

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「ほう…彼氏に隠し事なぁ…」

爆豪が不敵に笑った

「…別、爆豪には関係なくない？」

つい、つっけんどんな態度を取ってしまう
何も知らないくせに言ってくるから腹が立ったんだと思う

「…っ、そんな言う事ねぇだろ」
「だって…これは仕方の無い事だもん」

珍しく爆豪が言葉に詰まっていた

「なぁ、半分野郎と喧嘩でもしたんか」
「…違うよ、それにそれ知って何になるの？」
「そうだけどよ…」

また、詰まってる
あの爆豪が…珍しい
体調でも悪いのか

「なぁ、そんな悲しい顔やめろ」
「…え？、」

思わず自分の顔を触った

「俺にしとけよ
俺なら舐めプ野郎みてぇに、そんな顔させねぇから

あんな奴やめて俺のもんになれよ、翡翠」

そう言う爆豪の顔は至極真剣だった

「本気…？」

「本気に決まってんだろくそが」

爆豪の顔は真っ赤で、真顔だった

「好きだ。俺と付き合え」

付き合え、なんてなんとも彼らしい
…だけど

答えは決まっていた

「…ごめん」

実際、未だに理解が出来てない

だけれど告白されたのなら答えは1つだ

「例え、どれだけ傷つこうとも、泣こうとも…私は焦凍の事が好きだから
焦凍が世界一なんだ…だから、ごめん。爆豪の気持ちには応えられないや」

無理やりに笑って見せた
爆豪の顔は少し歪んでいた

あぁ、怒らせちゃったかな
怒鳴られるかな？爆破されるかな
何されたっていい

きっと焦凍を突き放したばつだから、受け入れる

「…そうかよ」

予想外の反応に面食らう

「怒ってないの？」

「……分かってたからな
お前はそういうやつだって。お前が轟ん事大好きなのは知っとるわ」

「…そっか」

爆豪の手がゆっくりのびてきた
反射的に目をつぶる

数秒後、頭の上に優しく撫でられる感覚がした

「…はよ、仲直りでも話し合いでもしろよ
てめぇのしけた面見たくねぇんだわ」

「っ…うん、ありがとう…」

きっと今の私の顔は相当ぐしゃぐしゃだ
でも、そんなに優しく撫でられたら泣くに決まってるでしょ

「爆豪、私…頑張るね」
「……おう」

素っ気なく返事をして爆豪はそっぽを向いた

「……時間、取って悪かった」

爆豪が謝った

「ううん全然、ありがとね
爆豪が感謝とか珍しいね」

冗談めかして言うと爆豪がまたこっちを向いた

「うるせぇ！」

顔を真っ赤にして、爆豪は去っていた

「ふふ、…ありがと、爆豪」

最後に小さく私は呟いた。