大嫌いな君へ送る嘘【轟焦凍】 (ページ37)

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「は…っ…やば…」

焦凍は顔を赤らめて唇をもう1回付けた後私を抱き締めた

「A…やっと俺の物になってくれた」

そして心底嬉しそうに笑うんだ。
そういう所がずるい…本当に好きになっちゃった

「あの…もう終わった？」

静かだったハズのフリースペースに突然誰かの声が響いた

「そろそろ上鳴と峰田が限界だから続きは部屋でやってくれないかな」

焦凍の肩越しにソファの方を見ると上鳴と峰田に抱きつかれた瀬呂が呆れた表情で座っていた

「てっ…めぇらなぁ…」
峰田は唇を噛んでこっちを睨んでいた
一方上鳴は世界が終わったような顔をして瀬呂の肩に頭を預けていた

「なんで非リア(おれら)の前でやるの…？」

上鳴の言葉に瀬呂と峰田が深く頷く

「付き合って数分で情熱的ですネ、Aサン、轟サン」

いつの間にか来ていた響香がやれやれ、と肩を竦めながら言った

「Aさんの恋がやっと実りましたわ…！今日はお祝いをしなくては！
丁度昨日お母様が紅茶を贈ってくれたのでそれを飲みましょうか」

百は可愛らしくぷりぷりしながらティーカップを手にした

「轟くん良かったぁ…！毎日毎日「磁力が今日も可愛い」とか「焦凍って呼ばれた、嬉しい」とか惚気話ばっか聞かされてたから…もう無駄に感情移入しちゃったじゃんか」

「ちょっ！緑谷、それ恥ずかしいからやめてくれ…！」

焦凍の顔を見ると真っ赤に染まっていてそれが可愛くて笑ってしまった

「え、ていうかさ、皆聞いてたの？」

「「聞いてたよ」」
「A組全員でな！な、爆豪！」
「俺に振るなよくそ髪」

爆豪も居た
もちろん女子は全員揃っていた

「砂藤ー！今日ケーキ作ってくれるの？」
「おう！」

やったーっ！と女子はもちろん男子も盛り上がる

「一足先に、おめでとう、A、轟」
「結婚式は呼んでねぇ…！」
「お茶子ちゃん、それ百ちゃんの時にも言ってたわね」

そんな風に皆ワイワイ騒ぎ出す

「轟A、か…いい響きだな」

「ちょっ焦凍までそんな事…」
「磁力焦凍の方が良かったか？」

…それはダサい…と自分の苗字ながら思ってしまった

「磁力焦凍は嫌だけど轟Aなら…」

そういうと焦凍の口角が上がった

「私、轟Aになります
よろしくね、未来の旦那さん？」

「おう、よろしくな。轟Aさん
俺の未来の嫁さん」

付き合ってばっかでもう結婚の話なんて気が早いよ
…でも、楽しみだな

「絶対旦那さんになってね」

なってくれなかったら承知しないから