大嫌いな君へ送る嘘【轟焦凍】 (ページ28)

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＿＿耳郎side
「ねぇヤオモモ、本当にいいと思う？」
少し重い足取りでご飯を買いに行くAの後ろ姿を見つめながらヤオモモに話しかけた

「全く良くないですわ」

ヤオモモは少し怒ったような表情で同じようにAを見つめている

「今日、轟さんもAさんも様子がおかしかったんです
だからAさんのアレは轟さん関係で間違いないかと」
「だよね、ウチもそう思う」

2人、意見は同じようだった

「…私はAさんに助けられて泡瀬さんと恋人になれました
だから今度は私が助ける番です…耳郎さん、協力してもらえますか？」

真剣そのもののヤオモモに向かってウチは力強く首を縦に降った

「もちろんだよ
だってウチもAの事大好きだもん
親友の恋とか悩みとか…放っておける訳ないじゃん！」

ヤオモモは少し表情を和ませて手を胸に当てた

「耳郎さん、私に二人の仲を取り持つ為の考えがございます
言わば秘密の作戦です」

「お、そういうのテンション上がるね」

一足先に持ってきた学食を机の上において椅子に座った

「轟さんはAさんのことが好きなんだと思います
でもあんな態度を取ってしまう理由があるはずです
だからそれを聞き出したいと思います
これは正直いって二人では無理でしょう
だから助っ人を使うんです」

ヤオモモが手を指した先には緑谷と麗日が楽しそうにご飯を頬張っていた
近くには轟、飯田、梅雨ちゃんが居る

「麗日と緑谷？」

「えぇ、麗日さんに事情を話して緑谷さんに轟さんに直接聞いて頂けるようにお願いするんです
…そして理由が聞き出せたならいくつか方法がございます」

ぴ、とヤオモモは人差し指を立てた

「轟さんの勘違いなら私達がAさんの背中を押してあげるんです
勘違いでないのならAさんを叱るか轟さんを叱るか
まぁそこは轟さん本人から聞き出した後に考えましょう」

そこまで話したヤオモモは淡いピンクのカバーの着いたスマホを取りだした
そしてメッセアプリを開き麗日とのトーク画面を開いた

「麗日さんと緑谷さん頼みになりますが
Aさんが笑顔になるのなら構わないですわ」

それは、ウチも
その意味を込めてウチはもう1回力強く頷いた