大嫌いな君へ送る嘘【轟焦凍】 (ページ23)

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「A、おはよ」

早速呼ばれた
しかも皆集まってる所で

…朝、エレベーターから降りて直ぐに轟、否…焦凍と目が合った
焦凍は嬉しそうにして私の名前を皆が朝ご飯を食べている所で、しかも大分大きな声で言った

「…おはよーございます」

皆の視線が突き刺さる
芦戸は起きていないようだが葉隠が居た
これは後で絶対からかわれる奴だ

「で？」

昨日と同じように首を傾げた焦凍はまた意地悪そうな顔をした

「…焦凍、おはよ」

女子陣から控えめな悲鳴が聞こえた
本当に勘違いされちゃうよ

「ん」

満足そうな表情をして轟は私の頭を軽く撫でて洗面所へ向かった

本当に悲鳴が聞こえた
私は脱力したように地面に膝を着く

「えっそういう関係なのお前ら」

瀬呂がニヤニヤと笑いながら近付いてくる
「違います、友達です
轟って言い難いから焦凍って呼んでいいぞってなっただけ」
それでも瀬呂はへぇ、と分かっていないように言う

「付き合ってないの？」

響香まで言ってくる
軽くため息を着く

「付き合ってないよ…私は…」

＿洋雪の事が好きだから
「私は？」
眠過ぎて、危ない所まで言ってしまった

「あぁ…何でもない」

「えぇ？本当に？」
それでもにやにやする響香達に「違う違う」と言いながら立ち上がる

そうだよ、私は今でも洋雪の事が好きなんだから
焦凍の事を洋雪に重ねてるだけなんだよ
私は最低野郎なんだ

そう思い洗面所へと足を引きずる

＿＿Aはその時気付いていなかった
響香がAを少し怒ったような表情で見つめていた事を