大嫌いな君へ送る嘘【轟焦凍】 (ページ21)

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「磁力マジで轟と何も無いの？」

カツ丼in食堂
私は今この状態である
緊急取調室となった食堂には緊迫した様子の芦戸、葉隠、麗日、響香
そしてほんわりしている百と梅雨ちゃん

何故か無理やり頼まされたカツ丼を食べながら「ない」と言い張った

「嘘つけ！今日の朝の轟の顔真っ赤っかだったよ！ねぇ梅雨ちゃんとヤオモモもそう思うでしょ？」
「そうね。凄く赤かったわ」

百も梅雨ちゃんにつられて頷いた
確かに顔は赤かった

「…轟って彼女作ったことないらしくてね」

「え！？マジ？」
なんの脈絡もないような話だが芦戸は轟に彼女がいた事がない、という事実の方が重大だったらしく食べる手を止めて目を見開く
それは芦戸だけじゃなく皆同じような反応だった

「女慣れしてないんじゃない？
だから私がそんな…好き、みたいな感じになっちゃったから…」

ものすごく語彙力のない会話だが皆は分かってくれたのかあー、と納得した

「でもでも！轟くん他の科の子に告白されても表情変えてなかったんよ！？」

麗日が少し声を大きくして言った
その様子と言葉に思わずカツをとりこぼしそうになった

「ひゃぁー！Aちゃん絶対ラブだよ！ねぇ！」

葉隠が見えない腕をばたつかせる

「てか麗日よくそんな所見てたね？」
「うん！デクくんと話してる時にたまたま見ちゃったんよね」
「磁力、付き合うなら今だよ」

芦戸がいい笑顔で親指を立てている
「いや無理ぃ…あんな国宝級イケメンと私が釣り合うはずないじゃんか」
「国宝級イケメン…」
確かに、と響香が真顔で頷いた

「それなら磁力ちゃんは国宝級美少女やね」

「はい？」
麗日が名前通りの麗らかな笑みで言った
何？国宝級？

「それなー！てか皆可愛いけどね！」

芦戸が引き続きいい笑顔で言った
「Aちゃんが告白したら直ぐにOK貰えると思うわよ」
梅雨ちゃんが冷静に呟いた

「えっ無理無理私の顔面分かって言ってます？？」

「分かってるよ」
響香が深く頷いた
確かにいつも一緒にいる響香に言われたら信憑性は高い…けれど

「皆、それ友達贔屓じゃないかな
いや、でも皆はマジで可愛いからね？」

「いや違うね！あたしの中学校の同級生も「雄英顔面偏差値高すぎ」って言ってたしそれに「トーナメント5位だった子可愛かった」って言ってたよ！」

トーナメント5位
…1年生の部なら私

「という事で自覚を持ちな」

響香の手が謎に私の肩に乗った

いや、まじで無理ゲーです