大嫌いな君へ送る嘘【轟焦凍】 (ページ1)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:55,547 hit

001 ページ1

「Aさん、Aさん」

可愛らしい声で私の名前を呼ぶのは大好きな親友の八百万百だった
「どーしたの百」
少し頬を赤め誰もいない夕方の教室なのに耳元に百が近寄る
わかったぞ
これは恋愛相談だ。きっと
相手は誰だ？飯田か？
もしかしたら上鳴とか緑谷の可能性もあるな

なんて1人で勝手に盛り上がる私を他所に百は無慈悲とも思える言葉を私に囁いた

「私、B組の泡瀬洋雪さんが好き、なんです」

「＿……え？」

Ｂ組の泡瀬洋雪
それはきっと一人しかいない
私に相談するということは私も知っている人物だろうし…産まれてこの方泡瀬洋雪という名前の人物は一人しか見た事がない

「洋雪…？」

洋雪は私の6歳からの腐れ縁という名の幼馴染だ

そして＿＿私の好きな人

「そうなんです…！Aさんと泡瀬さんは幼馴染とお聞きしました…！
ぜひ私の恋愛にお力添えしていただきませんか？」

確かに私は雄英の誰よりも洋雪の事をわかっている自信がある
10年間ずっと一緒にいた仲だ
そりゃ詳しくなるだろう

「そっか…遂に百も恋したのかぁ」

なんて取り繕う
そうでもしないと…

「そうなんです。初恋、です」

断れるわけないじゃないか

「いいよ」

辛い気持ちを抑え込み親友の方を向き直す

「私に出来る事があったら何でも言って？」

辛い気持ちを知らないフリして